決して色褪せないもの

もう50年以上前のものですが
いつ開いても、胸がキュンとするアルバム。

THE SAGA
机の上に置いてあっても、おそらく誰もこれが
私が当時通ってた学校の「イヤーブック」だとは
想像出来ないと思います。

1965年から1971年までストックホルムの
アメリカンスクールに在籍していましたが
これは日本に帰る年に発行された
初めてのイヤーブック。
だから私が持っているのはこの1冊のみ。
何とラッキーだったことか!

改めて見ると、この本のスタッフは当時
7年生から9年生(中学1年から中学3年生)!
当時小学生だった私から見ても彼ら?は
みんなとても大人っぽかった。
小学生の私たちが走り回っていた頃
こんなアルバムを作っていたのは驚きです。

6年生の私のクラスには17人の仲間が写っています。
その内、国籍が違う人が9人も。
私と同じように、英語が母国語ではない
友だちもいたけれど、みんな仲良しでした。
今でも一人ひとりのことを、声も含めて
はっきりと思い出すことができます。

今頃みんなどうしているのかな…。
その後の人生をどう歩んでいるのか
たまには私みたいに、このアルバムを
見返すこともあるのか。
そんなことを思いながらページをめくるのは
私にとってとっても幸せな時間です。
みんながいたから今の私がいる。

モノクロのイヤーブックなのに
私の中のみんなは決して色褪せない。

ところでSAGAとは
北欧文学の古ノルウェー語の散文で書かれた、
中世の歴史的・神話的人物の物語。

それがこのストックホルムの学校の
イヤーブックのタイトルというのもなんとも素敵!

文・沢田寛子

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