「黄色い」明かりが好き

部屋全体が明るくなる照明よりも
その場所、その場所でホッとなる、そんな明かりが好きです。

そういう明かりが好きになったのは
もう50年以上前にストックホルムに住んでいた頃から。
北欧のスウェーデンの冬は
午後3時ぐらいから暗くなりはじめます。
長い、長い夜の季節の到来です。

でも、それは決して暗い我慢の期間の始まりではなく
来るべき春、喜びのイースターに向けての準備の時でも
あったのではないかと、今では思います。

日本からやって来た私たち家族を招いてくださった
各家庭の照明がとても素敵で、今でも印象に残っています。
家の中でも、それぞれに心地よい明かりでしたが
私が特に好きだったのは、外から見える家々の明かりでした。

なんて暖かいのだろう。
通りがかりに見えた窓の外からの明かりで
とても幸せな気持ちになりました。

2011年に、40年ぶりでストックホルムを訪れた時は
ちょうど夏至の頃でしたが、やはり見上げた
家々の明かりは暖かくてホッとしました。
「ただいま、帰ってきたよ」
そんな優しい気持ちにさせてくれました。

私はこの「黄色い」明かりが好き。

昨年の1月に今のところに引っ越してから
少しずつ私(私たち)らしい住まいに整えてきました。
そして最近、可愛い「黄色い」明かりが2つ、我が家に来て
家の中で、ホッとする明かりを灯してくれています。

文・沢田寛子

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