懐かしいのスピード

普段あまり利用しない道でも、長い間であれば幾度も通る。

ある期間、工事中の壁が視界を塞いだのち、取り外されると

そこにあったはずの建物が消えていることが良くある。

「あれ?ここにあったビルって、なんだっけ?」

普段利用しないとはいえ、長い間に何度も通った道。

これが記憶喪失なみにポッカリ記憶がなくなるから不思議だ。

それこそ、解体された建物と同じように、記憶にあった景色も消える。

そんなこともあってなのか、不思議とこの「ポッカリ」とした穴は

なんとも言えない寂しさや郷愁を感じずにはいられない。

さて、新宿の話。

空が広く、見通しも良く、風も通り、このままで良さそう

久しぶりに昼間の新宿西口。

駅越しに東の建物が見えるではないか。

小田急百貨店。

NHKの解体番組でも取材されていたので、

「壊してんな~」と思ってはいた。

ほとんど利用したことがなく、地上からだと

百貨店の入り口という印象で、すんなり新宿駅へ行けず

何度もうろうろしていた記憶しかない。

で、…どんな建物だったかも忘れてしまった。

もう思い出せない。

写真があった。

ああ。そうそう。このオレンジが象徴的な。

はい、もう「懐かしい」

ロータリーの地下から(中央の植栽も無くなってしまった)
今は空が広がる

文・Photo:やまだ

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です