「宇野亞喜良 万華鏡」展

銀座グラフィックギャラリー
「宇野亞喜良 万華鏡」展
拝見してまいりました。

宇野亞喜良というと、エロ・グロ・ちょっと倒錯した表現のイラスト
という印象でアングラな存在感が特徴と思っていたのですが、今、こんななってんだ。
という驚きの展覧会でした。

いや、このヒト今何歳なんだ?!
めちゃくちゃかっこいいんですけど。

耽美で、小悪魔的で、幻想的ながらも独特の世界観が作り出す絵の存在感が強烈。
あわせてこの存在感を表出するのに「この印刷技術を持ってして完成する」レベルの
高度なプリントワーク。

一枚ずつは確かに印刷物でありイラストレーションなのに
モノ感がすごい。
単なる紙モノなんて言えない「作品」に刷り上がっている。

それから、会場に訪れる方々に女性が多く、意外に感じた。
今、宇野亞喜良のファン層は女性なんですかね。
熱心に眺めたり、撮影したりしていた。
中にはちょっとゴス寄りのロリドレスにおめかしした
わっかい女の子達も来場して来ていて
「ッカワイイ!」とテンション爆上げている。
いや、確かに、これは今のこっち系のファッションやアートに関心がある子には
刺さりまくるんじゃなかろーか?

自分にはカッコよく見えてしまうんだが。

地下には自分の印象が正しいことを証明する昔の
イラスト&デザインされたポスターが展示。いやー、今、この表現で作れるんか?
ポスターに書かれたコピーも下品で笑えるけど、今だと書けないコピーじゃない?
お上品な方々の目を気にした小賢しい、上部を滑るようなうっすい言葉選びになりそう。
荒々しいエネルギーが満ちていた時代にイラストやデザインで応えて来た方なだけあって
イラストに乗っかるエネルギーがめっちゃ高くて、今見ても全然薄くならんのだなー。
廊下の端っこに、めちゃくちゃ美しいスケッチが一枚あって泣きそう。

キラキラにびっくりしたが、こうして並べて観ると
表現の根っこが一貫していてぶっとく、今に至るまでぶっ通しているところがとにかく、
カッコイイっす!
ガッツリ刺激いただきました。
昔からを知っている方にも、知らない方にも
大おすすめな展覧会でした。

文責:やまだ

追伸:今回の展覧会の元
「宇野亞喜良画集 Kaleidoscope」発売中。会場でも販売してました。もちろん購入。
この展覧会ほどでは無いですが、特殊印刷の画集です。
今回の展覧会のゴージャスな特殊印刷は津田淳子氏による印刷設計だそうです。
津田淳子氏、誰?
あの「デザインのひきだし」の名物編集長でした。は〜、すげー。どういう指定なん?

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