何もしない贅沢を味わう宿

旅に出かける目的は人それぞれ、ですよね。

沢田家では、「〇〇の一泊旅行」などと呼んで
夫婦で時々出かけています。
そう、一泊がちょうどいい。

「NHKの朝ドラで見た、
オープニングのあの灯台に行ってみたい!
と能登半島まで行ったこともありました。

場所や食べ物が目的のこともありますが
ただ「ぼ〜っと」しに行く、
という最高に贅沢な場所に出会いました。
「宝巌堂」という、
新潟県魚沼市栃尾又温泉にある宿です。

ここはラジウム温泉と、地元野菜を
たっぷりと使った手料理が自慢の小さな宿。
館内にはスリッパはなく、
足に優しい暖かい桐の廊下。

だから、ゴロゴロと引っぱるスーツケースで
来るのは遠慮してね、とホームページにも
書かれています。

茶箪笥や、ちゃぶ台が、懐かしい気持ちに
させてくれます。ここは何もしない贅沢を
味わうところ、のんびり休みに行くところ。

「くう ねる はいるで 
心と体をととのえる」
が、この宿のキャッチ。

宝巌堂の始まりは「湯治場」。
「病を癒すために、多くの人が遠くから足を運んで
来た地です。今でもその『湯治場』であった意味を
忘れることなく、現代の皆さんにとっての
“心も体もととのえる場”になりたいと
考えています」とのこと。

ご主人が毎朝焼く、特製卵焼きも最高!
魚沼産コシヒカリも最高!
だからもちろん日本酒も最高!

そして何よりも最高だと思うのは
お客様を基本“ほったらかし”にして
さりげなく見ている、という距離感です。

宝巌堂のファンになること間違いなし。

だってここの女将の星智子さんは
私の高校の同級生で、いつも飛びっきりの笑顔で
迎えてくれるから!

文・沢田寛子

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