脱力のススメ

「ネンドノカンド 脱力デザイン論」佐藤オオキ
雑誌DIMEに連載されていたものが単行本化されました。
デザインオフィスnendo代表 佐藤オオキ氏が自身の手がけた仕事についてゆる〜く語っています。
・世界的に注目されている日本人デザイナーの思考はどうなっているのか?
・国内外40社、80件の仕事が同時進行している中での、アイデアを出す方法論とは?
・職人さんの技術を使い、本人たちが思いも寄らない方法で新しいものを作り出す発想とは?

佐藤オオキ氏は自分をデザイナーだと言います。
インテリアデザイナー、プロダクトデザイナー、ファッションデザイナーなど
デザイナーにも「○○デザイナー」と分類がありますが、
本人的にはそのような分類は無く、
「デザイナー」だと。
これは、初めから枠にとらわれない物の考え方、取り組み方を
意識している(というか自然にそう思考している?)のだと思います。
仕事のやり方を見ていますと、国内外関わらず現場へ行って
直接コミュニケーションを取り仕事しています。
本書を読みますと、やはり、デザイナーには
コミュニケーション能力が不可欠だと感じますね。
それと、アイデアの出し方。
自分を真っさらなフィルターの様な状態にして、
フィルターに引っかかるゴミのような些細な違いというか
違和感のようなものを捕らえます。
それを丁寧に集めることがデザインすることだと。
「すごく新しい、すごくおもしろい」ではなく
「ちょっと新しい、ちょっとおもしろい」が良い。
そのためには「脱力」することが大切。
普通の感覚が大事で当たり前のことの中にアイデアの種があり、
それをキャッチするには脱力が必要なのだそうです。
脱力したニュートラルな状態というのは「デザイナーの感覚」としては
大事なのかなぁと思います。
本書は世界的に注目され、活躍している佐藤オオキ氏の
ゆるくておもしろ〜い仕事エピソードが満載です。
新しい発想のヒントとなるような気がしますが、
まぁ、それはそれとして、非常に面白く読める本ですので、おすすめします。
ブックデザインは祖父江 慎 氏です。
版面の取り方が不思議ですが手に持つと意外と下の空きが持ちやすい。

本のデザインも少し変わっていますのでそこにもご注目♪
グラフィックデザインのご相談はデザインコンビビア

文:飛鳥井羊右

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