「ある朝、突然、ダッフルコート」

 

2013年 明けましておめでとうございます。

今年も皆様どうぞよろしくお願いいたします!
 

最近では、朝の混雑した電車の中でも邪魔にならずに

電子ブックで新聞を読む人を多く見かけます。

だから私のように、テーブルの上に大きく広げて

1枚1枚、新聞をめくっていく人は珍しいのかも知れません。

 

「新聞の細かい記事などは、拡大しても読めるので

電子ブックで十分、いや、この方がスマートでしょ」

そんな声もたくさん聞こえてきそうです。

確かに、かさばる新聞を持ち歩かなくてもいいし

捨てる場所を探さなくてもいいのは便利。

 

でも新聞には違う楽しみもあるのです。

ページをめくった瞬間に思わず広げた手が止まる、

そしてその大胆な紙面に目が奪われてしまう。

この楽しみは紙媒体ならでは(と私は思う)。

 

そういう嬉しい広告と出会った時は思わず顔がほころび

自分で作った訳ではないのに、何故か「やったね!」という

感動を覚えるのです。


 

「ある朝、突然、ダッフルコート」

雪が舞う、寒い朝の森の中に

暖かい上質な赤のダッフルコートを着た一本の木

それは一本の木でしかないのに、まるで人間が

着ているかのよう 

フードの立て方だったり、腕の折れ具合だったり

ちょっとした仕草が、そんなことを感じさせるのです。

「暖かいね」表情までも感じてしまうのだから不思議です。

 

学生時代にダッフルコートを着こなしていたおじさんも、

今年初めてダッフルコートに手を通す人も

腕を通したら、きっと新しい発見があるはずです。


 

TRAD IS NEW.

「新しいトラッドで、冬の街へ出かけませんか」

とこの広告の最後にはありました。

 

新聞の別の楽しみ、

それは時々挟み込まれてくる「広告特集」を見ること。


 

6ページも使ったこのデルタ航空の広告もシンプルです。

使われている色は、この航空会社のコーポレートカラーの

濃紺と赤2色のみ。中の写真はモノクロで使用。

大胆でシンプルな紙面にまたしても「やったね!」です。


 

「前方から風を受け、飛行機は上昇する。」

この飛行の原理は、空の旅をよりよいものにすることを

目指し続けるデルタ航空の原点でもあります。

と広告にはありました。

 

シンプルな広告はメッセージもシンプルです。

この新しい年、どれだけシンプルに大胆に

私は仕事をすることが出来るのか。

そしてもちろんベースにあるのは

Visual Communication Designです。

 

今年もどうぞよろしくお願いします。

 

 

文:沢田寛子

 

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