「巨神兵東京に現わる」

今回は趣味の範囲でのご紹介



東京都現代美術館で現在開催中の企画展「館長 庵野秀明  特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」にて上映されている短編特撮映像のパンフレットです。

アニメが好きな方はご存知かと思いますが、新世紀ヱヴァンゲリヲンの庵野秀明監督が企画した作品で、博物館の館長もされています。この短編の監督は樋口真嗣さんです。

巨神兵というのはスタジオジブリの「風の谷のナウシカ」に登場する生物兵器で、アニメで巨神兵のシーンを描いたのが若き日の庵野さんです(館内に原画が紹介されています)。それを特撮だけで映像化することを試みた意欲作!

はっきり言ってすごいです。この映像は3DCGを使わないで特撮と合成だけで作るという…今時は金が掛かりすぎて誰もやらないようなことをそれぞれのエキスパートが知恵を出し映像化したことにちょっとした感動を覚えます。


目玉は「巨神兵東京に現わる」なのだと思いますが、特撮の歴史と現存する模型や資料など、相当数が展示されています。僕は世代的(ウルトラマンレオまでは僕が生まれる前なんですよ)にはウルトラシリーズの再放送(確か朝早くに見ていた記憶があります)とかを見ていたと思います。

それよりもっと古い時代の特撮映画やテレビの資料もあり、時代による変遷が面白いし、思った以上にメカデザインなどカッコいいのです。

設定は奇想天外だったりするのですが、その世界観を大人が本気で作り上げようとする情熱を特撮には感じますね。今回上映の「巨神兵東京に現わる」のメイキング映像も上映されていますが、かなり笑えます。皆、本当に楽しそうに映像を作っているんですよね。大人の本気ってのがこれほど魅力的なんだということを若い人や子供にも見てもらえたら良いなぁと思いました。

もちろん、昭和の特撮がふんだんに展示されているので50代以上の方にも楽しめるはずです。

館内には、いたるところに庵野秀明をモデルとした「カントクくん」というキャラクターイラストがマニアな解説をしています。このキャラクターは庵野さんの奥様である漫画家 安野モヨコ氏によるものです。この漫画はそのキャラクターの出てくる漫画で、大変面白いです。突き抜けたオタクというのはここまでやってこそ!というのがビシビシと感じられます。

東京都現代美術館で2012年7月10日(火)~10月8日(月・祝)まで開催中です。期間も残りわずかですので、見たい方は急いで見に行ってください。休日は混んでますので、前売り券を買って行かれることをお勧めします。当日券買うのに30分くらい並びますから。

展覧会図録・書籍装幀はデザインコンビビア

文:飛鳥井 羊右

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