常用「国語辞典」新版(学研)

 
大学に入ってから、往復5時間の道のりを毎日。
この辞書を持って登校していた。
 
漫画を描くという特殊な趣味の関係で文章を書く事が頻繁に有り、制作上、状況や展開、登場人物の感情など的確に記述して行く必要が有った。「ひらがな」や「オノマトペ」などでは書ききれない内容、情報量を漢字や言葉に込め、正確に記すために「国語辞典」は必需品であった。
アイデアやネタを、思いついたらすぐメモる。記録するという癖は、その後、見事に身に付き、社会人となった今でも相当なメモ魔と化したが、いつしか「国語辞典」の登場は無くなっていた。
 
漫画本や画集、写真集などが押し込められた本棚にコロッと納められたコレを久しぶりに手にし、手あかで変色した小口を以前の様に親指で弾くと、かつて時間を忘れて創造し、形の無いイメージを言葉によって絡めとり、勇んで紙の上に並べていた頃がよみがえってきた。
在りし日の冒険を共に歩んだ一冊の武器である。
ふと、我に帰るとそこにはオドオドと生きるおじさんが一人。
 
また、冒険に出たい気持ちが湧いて来た。。。

文責:やまだ

 

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