塔の話

東京スカイツリーが完成して話題になっていますね。

今回はスカイツリーにちなみまして

 

両国の江戸東京博物館というところで

ザ・タワー 都市と塔の物語

という企画展がありました。

スカイツリー完成記念の企画です。

 

 

 

 

 

 

そもそも行くきっかけになったのが

展示の一部分に、僕が以前画いたイラストを使用していただいていることです。

 

以前、『ヴィジュアルBOOK 旧約聖書の世界と時代』という本に掲載されたイラストを

今回の企画の展示に使いたいとの連絡を出版社経由で受けました。

そりゃあもう喜び勇んで観に行ってきました。

 

展示に使っていただいたのは「ジックラト」と「地図」

 

 

 

 

 

 

 

 

展示されていた場所は、最初のプロローグ「二つの塔 バベルと仏塔」

割と入ってすぐの所に展示されていました。

 

塔の起源、世界で最初に塔として建てられたのはどこなのか、そして何の目的で建てられたのか。

時代や場所によって塔が建てられる理由や、その形状も様々です。

バベルの塔は旧約聖書に出てきた塔で、人間が自らのおごりで

神をも超えようとする高い塔を建てようとした為に神の怒りを買ってしまいます。

その元とされているのがジックラトと呼ばれる塔です。

 

 

そこからは、時代の流れになぞらえて

塔がなかった江戸時代、

近代都市(エッフェル塔・浅草の凌雲閣・通天閣)

東京タワー、通天閣の再建

スカイツリー

と、展示が続いてゆきます。

 

それぞれの塔の建造前の図面や

塔にまつわる絵画や双六などが展示されており見応え充分。

 

たとえば、日本では明治までというものは存在していませんでした。

お城よりも高い建物を建ててはいけなかったためです。

そこで人気を博したのがミニ富士山

今と違い、富士山まで誰でも行かれるわけじゃなく、塔もない。

山登りも今ほど気軽に出来るようなレジャーではありません。

そうなると人工的に作られた、ちっちゃい富士山に登るのです。

日本の各地にミニ富士山があり、観光地化されていたそうです。

など。

 

展示の中で印象に残ったのはパリのエッフェル塔。

1889年の万博のために建てられたエッフェル塔ですが

実はエッフェル塔の建造が決まる際、対抗案でもう一つの塔の案がありました。

「太陽の塔」という塔です。(もちろん岡本太郎さんの太陽の塔とは関係ありません)

デザインも全く違い、電飾を大量に使い、地下にも繋がっている塔の案でした。

 

塔の高さはほぼ同じ。

図面と模型が展示されていて比較できるようになっていました。

結果的にはエッフェル塔の方がデザイン的にも万博に相応しいということで決まったそうです。

建築家の案よりもデザイナーの案が採用されました。

 

普段、僕たちは最終的に決定したものしか観ることができず

対抗案や、形が決まるに至る経緯はなかなか観ることが出来ません。

実はこの途中経過を観ることが面白かったり、

それを観ることで、最終的な形を観たときに納得がいく物が数多くあると思います。

 

エッフェル塔が各国に与えた影響は、それは大きなものだったと思います。

しかし日本がフランスに与えた影響も大きく

葛飾北斎の富嶽三十六景ならぬ、エッフェル塔三十六景というものが存在していました。

これはちょっと驚きました。

 

 

 

 

 

 

 

また、エッフェル塔は万博の為の塔なので、万博の終了とともに取り壊される筈でした。

しかし次回の万博でも使用するということが決まり、取り壊さずに済んだそうです。

残っていて良かったエッフェル塔。

 

さらにはエッフェル塔の増築計画もあったそうで

いろんな増築案が展示されていました。

完全に壁で覆ってしまい原型がほとんど分からなくなってしまうものや

螺旋状に線路を敷いて電車で上れるようにするなど、かなり奇抜な案もありました。

この増築案が、本当に色んな案のイラストがあり、ここだけでも見応え充分。

 

他にも浅草十二階や通天閣、東京タワーに関しての展示があり、想像以上のボリュームでした。

 

今、スカイツリーが話題ですが

その前に、東京タワーや通天閣などを、改めて調べてみるのも良いかもしれません。

 

 

 

おまけ↓

 

 

 

 

 

この地図のスカイツリーが、なんともシュール。

 

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