「今も大好き マリメッコ」

お気に入りのものが身近にあるのは嬉しいこと。

それが寝るときも一緒にあったら、さらに最高。

真夏でも真冬でも、私が着ているお気に入りのパジャマは

このシマシマの「マリメッコ」のものです。

 

最初にこのパジャマを着たのは、小学生のときでした。

もう今からかれこれ40以上前のことです。

その当時、それがマリメッコということを知らずに

母が買って来てくれたのだと思います。

当時住んでいたスウェーデンでは、普通にみんなが

着ていたものだったのかも知れません。

でもそれ以来私は、大のシマシマ好きになりました。


 

その後、ちょっとした小物入れや、ペンケースに

ストライプ以外にも、色のきれいな大きな花柄のものも

多く加わるようになりました。それらはみんな特別な日に

プレゼントでいただいたものばかりでした。


 

この柄が有名な「ウニッコ(ケシの花)」というシリーズで

マイヤ・イソラという伝説のデザイナーによるものだと

知ったのは、私がデザインの勉強を始めてからのことです。

このウニッコ柄は1964年の発表以来定番となり

今も世界中の人々から愛されるパターンの1つです。

 

私がこの同じパジャマと再会したのはずいぶんあと。

今から5~6年ぐらい前のことでした

(かなり後でしたね)。

襟周りのかたちも一緒、肌触りも以前と同じで柔らかい。

着てみると、小学生の頃の幸せな気持ちが

一気に蘇りました。

懐かしいような、愛おしいような、そんな感覚。

それにしても、ずっと同じデザインでいれくれたのですね。

「そのままでいてくれてありがとう」。

マリメッコが愛され続ける秘密がここにあるのでょう。

 

このシマシマの柄には「タサライタ(Even Stripe)」

という名前がついています。1960年代後半にリーバイスの

ジーンズに合うシャツとしてデザインされ、シリーズ化が

進められていったそうです。

 

『「大胆で個性的なデザイン」はマリメッコ社の

デザイン理念です。ユニークなそれぞれのプロダクトから、

マリメッコらしさを追求したオリジナルな

ライフスタイルを提案することを念頭において、

機能的で実用的デザインをしています。』

本屋さんで見つけた「フィンランドのマリメッコ手帖」

という本の中には、このように書いてありました。


 

今でもたくさんの才能あるデザイナーから

魅力的なファブリックがたくさん生まれています。

またデザインから生産、営業、マーケティングまで

一通りのプロセスがヘルシンキの東部のヘルットニエミ

という場所で行われています。

マリメッコの独自性の秘密は、「生産とデザインの距離の

近さにあると言っても過言ではない」ともありました。

 

親密な人間関係の賜物がどのラインでも生かされ

それがゆるがないブランドを

作り上げて行くのだと感じました。

 

文:沢田寛子

 

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