『ku:nel』
はじめまして、
春からコンビビアの一員に加わりました、田島です。
第一回目は、私の好きな『ku:nel』を紹介させていただきます。
『ku:nel』は、「ストーリーのあるモノと暮らし」がコンセプトの、
マガジンハウスから発行されている雑誌です。
誰かの素敵なライフスタイルを紹介したり、お弁当の中をのぞいたり、
うしろにちょっと読み物がついていたり…と、
ゆったりとして、程よく力の抜けている雰囲気が魅力です。
そしてこの『ku:nel』のアートディレクションをされたのが、
アートディレクターの有山達也さん。
「かっこいい」や、「きれい」を超えて
伝わる組版を
あるインタビュー記事で、有山さんのエディトリアルデザインが
そのような言葉で紹介されていました。
この「伝わる組版」という言葉、シンプルで読みやすいというだけでなく、
なかなか深い意味がありそう…
というのも、『ku:nel』をよく見ると文字組や写真のレイアウトなどで
かなり面白い試みをされているんです。
写真のために文字組をポコンとへこませてしまったり、写真を重ねて置いたり、
揃えられるところをあえて微妙にずらしたり。
このように『ku:nel』らしい“力の抜け感”を組版で表現することで、
雑誌の性格を視覚的に読者に「伝えて」いるのではないかと思います。
同じシンプルなデザインでも
かっちり、きりりとした組版とは少し違う
ほっと一息つくようなくつろぎの誌面。
言葉にするのも難しいような細かなニュアンスの違いを、
組版で伝えることができるというのは
とても面白いですよね。
エディトリアルデザイン、奥が深いです。
ぽっかり空いた午後に、明るい窓の近くで、心地良い椅子に腰掛ける。
『ku:nel』を読むときのおすすめのシチュエーションです。
お試しください。