新創刊雑誌『kotoba』
集英社から2010年9月に創刊された季刊誌です。
インターネットが当たり前となり、電子書籍が本格的に普及し始めた2010年に、あえて、新雑誌を紙の雑誌として出すことに心意気を感じました。デザイン的に派手さはありませんが、読み物雑誌としてはしっかりとしていて、ガッツリと活字を読むというのが好きな人には合っている気がします。
ノンフィクションやドキュメント、
自然科学や社会科学などのアカデミズム、
そして何より出版の基本に立ち返り、
本当に伝えるべき価値あるコトバを、
きちんと伝えていく雑誌を創刊することにしました。
と巻頭の挨拶文にありました。小説・フィクション以外の全てのものを取り扱うそうです。
僕は普段、小説・フィクションはもちろん、ドキュメント・科学物など色々読むので、この表紙を見て気になり、最初の挨拶文で読んでみようと思って買いました。まだ全部は読んでいないのですが、なかなか面白いです。
今、電子化の波が押し寄せている時代にあえて紙の本として出す事は、情報を右から左へと「早く・簡潔に・沢山」処理して行くのが当たり前な現代に対するアンチテーゼなのではないかと…
創刊号の特集は「生物多様性はなぜ必要なのか。」今年は国際生物多様性年なので、皆さんも興味のある話題だと思います。
特集の中に福岡伸一氏の名前があり、それも興味を持った一因であると思います。先日、分子生物学者 福岡伸一氏の著書『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』を読みました。
「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである」と書いてあります。
なるほどなぁと思いました。説明するとちょっと長くなりますので、興味ある方は出来れば本書を読んでいただけたらと思います。分子生物学から人生観のようなものが学べるのが深いと思います。
今回、こういった本や雑誌を読んでいて、改めて思った事は、僕は科学が好きなんだという事と考えることが好きだということですね。ちなみに今も別の科学の本を読んでいたりします。
活字を読むということ、そして色々な事について考えるということ…この行為は間違いなく僕たちに必要なものであると思っています。普段あまり本を読まない方は、まず自分の好きな分野の本から読み始めてみることをお勧めします。
僕で言うところの「科学の本」のように♪
雑誌・書籍、特にサイエンス関係のデザイン制作はデザインコンビビアへ
文:飛鳥井羊右