「KANJI STARTER」
2010年1月27日
2020年7月14日
生まれてから、ずっとアルファベットの26文字で
読み書きが事足りていた人たちにとって
日本に来て、出会う文字の種類の多さはあまりにも多すぎ…
そんな感想を持っている人たちを何人も知っています。
「漢字」、「平仮名」、「カタカナ」、「ローマ字」
やっと漢字を一つ覚えて、発音出来たかなと思ったら
実は他にも読み方があるんだよ〜、なんて言われたりして。
「日本人でも読めない漢字がいっぱいあるから大丈夫だよ」
と言われても、彼らにはちっとも慰めにはならないのは
経験上よく分かっています。
彼らにしてみれば、例えば
一本、二本、三本、四本と漢字で書かれると
何を意味するのかは分かるのですが
発音になった途端に悩み始めるのです。
「何で一本のときはポンで、二本はホン、三本になるとボンになって
四本だとまたホンになるの」というものです。
またある時は「山下」はヤマシタと読むけれど
「木下」キノシタの「ノ」はどこから来るの? などです。
う〜ん。実に難しい。わからない。
そういうものなの、と言いたくなることもしばしば。
そんな人たちに、何とか漢字の面白さを
分かってもらえるものはないかと、探していた時に
見つけたのがハンディーなこの一冊です。
私たちも学んで知っている、歴史的な背景のある
漢字の成り立ちに加え、著者の楠谷さん自身が考えたものが
いっぱい入っていて、それが実にユニークです。
ex.「木」が箱に入っていると伸びなくなる=「困」という漢字
こういう本を見ながら、少しでも日本語の成り立ちの楽しさ、
漢字を学ぶ楽しさを、知ってもらえたらなと思いました。
文:沢田寛子