「写真家の目」のすごさ!


 公文健太郎写真集

「大地の花」ネパール人々の暮らしと祈り

東方出版社

 

7年間ネパールに通い続け、そこで暮らす人々を

撮り続けている若干27歳の写真家公文健太郎の写真集と出会った。

写真家としては若いがその目は確かである。



彼の撮る写真には力があり、やさしい眼差しがあり、清さ・美しさがある。

ネパールの人々の屈託のない笑顔。包み隠さない生活。ありのままを受け入れ

感謝し生きる人々の姿。そのような写真はおいそれと撮れるものではない。

7年通い詰めて人々と心を通わせる中で導き出されたものであろう。

通りすがりの旅行者ではとうてい取りえない写真である。

人々に深く関わり生活の営みの奥にある

魂の「美」にはそうたやすくは到達できるものではない。

それができるのはとりもなおさず写真家の志と人柄であろう。

そのことは随所に語られている短い文章を読めばよくわかる。

そして最も感動的なのは7年に渡り親交のあったゴマという現地の

女性からの手紙に記された「祈り」である。



 

 「夜空の星よりも 大地の花をください お金や財産はいりません

 友達の愛があればそれでいいのです ありがとう」

 

この写真集を観て、ドキュメンタリーは通りすがりではなく、

地に足を据え、深い眼差しで見つめる事だと感じた。

 

岩嵜 記

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