U-Tsu-Wa

今年2月に東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTへ
『うつわ U-Tsu-Wa』展を見に行きました。

以前にテレビで ルーシー・リィーが紹介されまして、それをたまたま観たんです。
僕、陶芸は全然詳しく無いしやったことも無いけど、
紹介された作品を見て「すげーキレイ。実物が見たい!」って思って、
そしたら展覧会がやってると知りましたので…行きました。

この展覧会は
エルンスト・ガンペール、ルーシー・リィー、ジェニファー・リーの3人展。

エルンスト・ガンペールは、木をろくろに取り付け薄く削っていって作るうつわ。
ルーシー・リィーはろくろを使った磁器に色んな釉薬でキレイな色のうつわを作り出す。
ジェニファー・リーは手捻りで素焼き。酸化した金属の粉を練り込み渋い色を出す。
三者三様。

それぞれの人のインタビュー(昔のテレビ番組)が会場で流されてました。
ルーシー・リィーのがすごく良かった。
80歳のルーシー・リィーが作業をしながらインタビューを受けているのを撮ったもの。
すごかった。80歳であの手の動き。しゃべりながらでも精密な作業も出来るという。
いや〜、刺激を受けました。

ジェニファー・リーの手捻りでの作業もビデオが流れてましたが…
あんなにキレイな曲線が手で作れるのかと…すごい。
しかも色は、混ぜる酸化金属粉の種類を変える事で出しています。
素焼きで模様が出るのにはそういった秘密があるのだそうです。
実物見るとこれは凄いです。

エルンスト・ガンペールの木を使って作るうつわは、木目によって乾燥した時に収縮が変わってくる。
それによって奇妙なゆがみがうつわに生じるそれが自然の力を借りる事で作ることのできる形。
人の力だけではとうてい作ることができない。

三者三様ですが、共通している部分は想像や計算を超えた所に目指す美しさがあるということ。
人の手、人の考えでコントロールできる範囲では驚くものはできない。
乾燥の時、木目によってゆがむ…
火の入れ具合や釉薬の配合のちょっとした違いで色が変わる。
金属の粉で出る模様は焼いて初めてわかる。
完全なコントロールなどできないのです。

自然の力を借り人の想像を超えるものを作る事、
自然無くしては人は存在できないという事実がそこにある気がします。

ところで、この展覧会の会場構成が安藤忠雄さんだったのですが…
かなりカッコいい展示の仕方なんだけど…広い所に点々と作品を置いていて、それを遠巻きに観る(笑)
遠すぎると感じました。
一応、展示の仕方には星座の星の配置という意味があるんだけど…
小さい器とか良く見えない…

しか〜し、その分この図録の写真がキレイ!
本の作りもすごく美しいし、紙も良い。
そしてこの豪華さに対してかなり安い!
なので即買いでした。

全ての作品になんだか「和」のテイストが感じられたのは何か通じるものがあるのだと思います。

来年2010年の4月に国立新美術館にて
「ルーシー・リィー展」がある予定なので、
来年はもっと近くで見られる事を期待します♪

図録デザインはデザインコンビビア

文:飛鳥井羊右

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