「世代(年齢)でまとめる」ことはナンセンス?

東京・新宿にあるデザイン会社、㈱デザインコンビビア代表の飛鳥井羊右です。「団塊世代」「バブル世代」「氷河期世代」「ゆとり世代」「Z世代」などなど、なんやかんやと「世代」でくくる言葉、聞いたことありますよね。ところが、現在のマーケティングにおいては世代にこだわると失敗する場合もある、というようなことが言われてきています。はてさてどうしてなのでしょうか。

皆さん、世代でまとめられることに「嫌だな」と思うことありませんか。

コンビビアでも「Z世代」という言葉について、

一番若いスタッフと小5の僕の娘が同じくくりになるという説もあり、

それって同じグループでいいのかな?

変じゃ無いのかな?と話題になったりしたものです。

どちらかと言えば、年齢が近いということを元々は「世代」とまとめていたように思います。

僕が子供の時、40年くらい前ですかね、

今ほど情報が簡単に手に入らず、新聞・雑誌・TV・ラジオなど

限られたメディアから、近い年齢の人たちは

同じような情報を入手していたかと思います。

「おい、昨日のドリフ観たか!」

これです。

僕からすると小中学校時代の会話ですね。

分かる方は僕と近い年齢かもしれませんね。

年齢によりますが、このようなセリフが当たり前に学校で飛び交い共有していました。

最近思うのは、テレビを見て話をするということ自体ができなくなってきていること。

さて、そんな時代から40年ほど過ぎた今。

もちろん、同じくらい毎日テレビを見て、

番組の選び方が近い場合はかなり話が通じます。

ところが、僕の娘はほぼテレビの番組を見ません。

一部一緒に見る番組だけは決まったのが少しありますが。

なんと言っても「Youtube」これがメインのメディアとなっています。

ま、一緒に見ようと誘われて一緒に見る時も多いので、

これは、中々すごいメディアだなと感心してしまいます。

メディアも多様化して日々取り込む情報のソースも多岐に渡ります。

世代を横断していくことが当たり前。

趣味・嗜好が近いけれど世代(年齢)は関係ないというグループが出来て当然ですね。

博報堂生活総合研究所の調べている情報にもそのように出てきています。

以前はこの世代はこういう傾向があり、

こんなものを好みこのような生活をしている。

などと仮想の対象を設定で組み立てて、そういう人に向けた

商品サービスを提供するのが一つの広告手法でした。

でも、その好みや行動って年齢関係なくあるんじゃないの?

アクティブでアウトドア好きな人は年齢関係なく好きですし、

新しいものが好きという人も年齢関係なくたくさんいます。

昔のように、この年齢になったらこんな生活をしているというスタイルが、

今はもう当てはめることができなくなるほど自由に多様化しているということ。

そんな状況を

「消齢化」

と最近言うそうです。

調べてみれば「意識、好み、価値観など年代・年齢による違いが小さくなる現象」とのこと。

つまり、世代や年齢が違っても、好きなものや価値観でグループができるということ。

そのグループに向けて、年齢よりも好きなもので共通認識や価値観を合わせることで、

共感を得られるPRができると考えます。

*この話のソースは日経クロストレンド(有料会員向け)の記事です。
 詳しく知りたい方はそちらご覧いただいた方が正確に理解できるかなと。

実際、世代よりも「何が好きなのか」について最近お手伝いした仕事で気づいたことがあります。

レストランのPRをお手伝いした案件で「昼にちょっと一杯ワインを飲みたい」という

需要について話しをしました。例えば、平日昼間にレストランでワインを一杯いただくなんて、

世代で言えばリタイヤした人のが多そうですよね。

でも、実際には僕も昼間からちょっと一杯というシチュエーションが好きで、休みの日や平日休みの時などは

昼から飲めるレストランを探します。また、仕事でその土地に訪れた人が、

夕方ちょっと一杯ということも実際あるそうです。

仕事の時に飲むことは僕の場合ほぼありませんが、

そういった体験やライフスタイルを好む人を

ひとつのグループとして考えると良さそうです。

商品やサービスを、年齢や世代、年代によるグループ化ではなく、

趣味・思考・価値観・ライフスタイルなどで共通項を見つける。

そこがはっきりしてから、色々なことを考えていくようにします。

そうすると、最終的な表現にも大きく影響してきますよね。

メディアの多様化も後押しして、世代や年齢ではグループ化できない今、

共通項を見つけ出し「どう表現するのか」まで持っていくことが重要となってくるでしょう。

常に多くの情報を集めること大事ですね。

デザインコンビビア

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