頑張っている友人を自慢

こういうブログもアリかどうかという感じですが。

漫画家の柳沼行。

デビュー作が非常に話題となり大団円の完結ののち、2作目も完結させてからしばらく充電期間に。

その間も時々短編を描いてはいたものの、ポツポツといった感じでした。そんな中、彼の技量を知る編集の方から声をかけていただいたようで、長期間かけて1冊描きおろすお仕事に取り組んでいる、という話は聞いていました。

その1冊目(世界の歴史3)の話は聞いていたのですが、その後コロナ禍ということもあり、いつ発売になるのかなどの続報を知ることなく待っていたところ、コロナ明けに久しぶりに会うことになって、実はなんと2冊目も終えていたという話でびっくり。(1冊目も既に発売されていたということにもビックリ、作者名は伏せられていたので見つからなかった)

それがすでに昨年のこと。

新作とはいえ特殊な形態の漫画で、本人メインの作品というわけでは無いだけに、店頭で平積みになることは無いだろうと思っていたら、つい先日。

紀伊国屋書店(さいたま新都心店)で2冊目の方が平積みになっておりました。

平積み記念に写真を一枚(そのまま載せられないと言うことで、イラストでご覧ください)。

売り場を見ると周囲をドラえもんで囲まれていて四面楚歌の態。

角川まんが学習シリーズ

日本の歴史16 多様化する社会 平成時代~令和

監修 五百旗頭 薫
定価: 935円 (本体850円+税)

2山平積みで、出版社もポップをつけております。

さてこの本。漫画で読む~の学習シリーズです。

古くから各出版社が取り組む定番のシリーズです。

誰しもが何かしらのシリーズを手にしたり、読んでみたことがあると思います。自分も好きで、幼少の頃より本が分解するまで読んでいました。(こういう本て海外には無いだろうね)

平積みになっていたのはシリーズ最終巻にして最新刊の近現代編。

登場人物が「歴史上の人物」ではなく、リアルタイムに同時代を生きている人々のまんが。

そも、日々、ニュースとして見聞きしているものの、流れていく情報がどういう歴史を作っていっているのかということは、実はあまり捉えられていないのでは?

それが、こうして近現代史としてまとめられ、さらに漫画として時代背景まで描き起こされると途端に自分自身も歴史の渦中にいたかのような臨場感を感じつつ(何しろ知っているエピソードが続いていく)、柳沼の工夫でちゃんと「漫画」としての物語の上に史実を乗せることで、ただの「年表を絵にしました」となっていない、「作品」に仕上がっている。

細部がまじで細かい。こだわってるなー。

さて、友人ながら、久しぶりに見るヤギさんの絵の進化に驚愕。シンプルに。

登場する実在の人物が、そっくり。そっくりなまま違和感なくキャラクターとして漫画の一部になっている。創作の部分とのシームレスな展開に知らず知らず読み進めてしまう。

さらに、自分が経験してきた「その時の自分」という、もう一つのファクターが働き、普通のまんがを読むのとは一線を画す不思議な読書感。

読後、あれ?もしかして自分も歴史の中にいるんじゃね?という、当たり前だけど、なかなか気がつけない事実に向き合えると思う。

大人も読んで欲しいし、子供は特に「私も歴史の一部なんだ(しかもこれから作られていく)」という大きな視点で物事を見る、考えるきっかけにもなる稀有な作品になっていると思う。

史実と創作の傑作「アドルフに告ぐ」や「陽だまりの樹」と同格のまんがかも。

5年単位で単行本にして欲しいな、ヤギさんに。

(N○Kスペシャルで実写にチャレンジしてくれないかな)

いや、まー、すご。さすが。大変だったろうなぁ。

願わくば、コンスタントに次の作品も見せてほしいぞ、ヤギさん。

文責:やまだ

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