「弾性ストッキング」と共にQOLを


「さて、今日持ってきたこのパッケージの中には

何が入っているでしょうか」

今回の私のお気に入りは、こんな問いかけから始めました。

 

中に入っているのは1足¥24,000もする

「弾性ストッキング」というものです。

おそらくほとんどの方はこのストッキングとは無縁のはず。

また、そうあって欲しいです。

 

子宮癌の手術を受け、その時にリンパ節を郭清(周辺の

リンパ節を全て切除)した関係でリンパ浮腫となり

このストッキングとの出会いになりました。

 

ドイツ製で非常に高価なのは、おそらくその製法に

あるのでしょう。

 

弾性ストッキングとは、普通のストッキングとは違い

足を圧迫するための、特殊な編み方で作られた

医療用ストッキングです。

下肢静脈の血液還流を促進する働きがあり、静脈瘤や

リンパ浮腫の治療の際などに使用されています。

 

圧迫力が足首から心臓方向へ段階的に弱くなる構造で

血液が心臓へと戻りやすくなります。

またこの生地は、着圧を生み出すための糸が使用され

その糸や編み方も効果の上がるよう工夫されています。

 

半年ごとの検診の度に、2足ずつ購入します。

ストッキングだけを取り出して、後は捨てていましたが

ある時に、中に入っている冊子に目が止まりました。


 

よく見てみると、この冊子だけではなく

この箱も、ストッキングが包まれている薄い紙も

トータルでデザインがシンプルで綺麗です。

医療品なのに堅くなく、優しく、温かみを感じます。

パッケージや冊子にあしらわれている

細い波状のラインの色とデザインの美しさ。

ストッキングの糸や編み方をイメージした

このさりげなさが私は好きです。


 

冊子に書いてある言葉

Your partner for a better quality of life

この商品を必要とする人たちに寄り添っています。

素敵だなと思いました。

ともすれば落ち込みがちになる人たちに

その色とデザインで元気を与えてくれました。


 

やっぱりMade in Germanyは違う。

こんなところにも質の高いデザインを感じました。

 

 

文:沢田寛子

 

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