「スウェーデン」の続き 大使館でのこと

 

前回のブログでスウェーデン旅行の話を書きました。

今回は、日本のスウェーデン大使館でのこと。

 

88歳の父は、6年間働き、暮らしていたスウェーデンから

毎年、年金を受け取っています。

その受け取り方法として、郵送されてくる

「生存確認」の書類に必要事項を記入し、父がサインして

スウェーデンに送り返すということをしていました。

ところが、パーキンソン病を煩うようになって12年

今年父は、直筆のサインが出来なくなりました。

 

母が大使館に電話をかけ、父の状況を説明したら

「必要な書類を揃えて持って来てくださったら

それで大丈夫ですよ」ということになりました。

ホッとした母、そして私が代わりに行くことに。

 

地図を片手に、キョロキョロしながら歩いて行くと

とても雰囲気のある建物が目の前に現れました。

スウェーデン大使館はホテルオーク別館の隣でした。

まわりにサウジアラビア大使館や

スペイン大使館などがあり、とても環境のいいところ。

 

門を通って敷地の中へ(ちょっと緊張)、

ドアを押して中に入り、受付の窓口へ(綺麗な人だなあ)。

用件を伝えると、日本人男性の秘書の方が現れました。

母からの書類を渡し、目を通してもらうと

いくつかの書類がないことが判明しました。

 

やはり母は電話口で、何かを聞き漏らしていたんだ…

もう一度揃えて改めて出直して来よう

そんなことを考えていたら

「ここにある他の書類が、生存確認の用件を

満たしているので、たぶん大丈夫だと思います。

上司に渡して来ますので10分ほどお待ちください」

という心強い一言でした。

 

その間、落ち着いたロビーで待ち、置いてあった

スウェーデンを紹介する数々の印刷物を

ゆっくりと見て過ごしていました。

さずが大使館に置いてあるだけのことはあって

どの印刷物もとてもグレードの高いものが多いです。


 

 

この大使館は、在日スウェーデン人の集まる

スポットであると同時に、スウェーデンビジネスの

中心地として活用されていると聞きました。

大使館とはそういう場でもあったのですね。

 

さて、戻って聞た秘書の方。

「ボスがこれで大丈夫だと言っていますので

責任を持って、こちらからスウェーデンにお送りします」

 

書類が揃っていなくても大丈夫だったのですか?と

聞く私に対し「ボスが臨機応変に対応してくれるので

私たちもとても仕事がしやすいのです」

だって!

日本のお役所にも見習ってもらいたい。


 

いい印刷物を見て目が養われ

いい人との出会いで、気持ちがとっても温かくなって

大使館を後にしたのでした。

 

文:沢田寛子

 

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