西粟倉村って知っていますか

net-shopでゴム長靴を注文したら、届いた商品に
小冊子が同封されてきた。


 

「ニシアワー/春分」「夏至」「秋分」「冬至」に
「森の学校のご案内」の5冊。
ゴム長靴に添付するには、ちょっと垢抜けたデザインだ。
 
岡山県英田郡「西粟倉村(ニシアワクラソン)」という村を
知っているだろうか。
私はこの小冊子の発行元の所在地として初めて知った。


 

西粟倉村…「人口1600人の小さな村。2004年に(町村)合併を拒み、
自立の道を選択しました」そうである。
思わず応援したくなるシチュエーションである。
村の自立のための戦略として、山・川・田んぼ・雪などの自然、
なかでも林業を長期的視点で立て直そうという構想らしい。
森林率95%というのだからそれを生かすしかないのだろうが
材料を提供するだけでなく、産地からエンドユーザに直接販売する。
そのための製品を若い人たちの力を借りてデザインし、
製造し、販売する…そのことで雇用や産業を創出しようという
村おこしの手法もまた今風なのだった。
 
調べてみると、西粟倉村と地域プロデュースなども手掛ける東京の
企業とのベンチャー企業「西粟倉村・森の学校」が中心になって
活動している…ということが分かった。
net-shopは「森の学校」運営していたのだ。小冊子はそのPR誌で、
編集・デザインが手慣れていて小さな村の広報物にしては
どおりで都会的だ。過ぎるといっても良い。
 
こうした洗練された手法が村おこし活動全体の中にも溢れていて
最近になって西粟倉村の取り組みは、
テレビ「NHKサキどり」(2011年6月12日放送)や
雑誌「ソトコト」(2011年7月号)で紹介されたらしい。
モデルケースとして全国に認知され出したのだとしたら、
計画は軌道に乗りつつあるといっても良いのだろう。
 
だが、この作文中に気がかりなニュースを知った。
任期満了に伴う西粟倉村長選(30日告示、9月4日投開票)があり、
「森林の再生に取り組む“森の学校”を廃止し、
真に村民のためになるものの見直しなど事業仕分けを実施したい」
という候補者が立候補したというのだ。
新しい村おこしの活動を、全ての村民が賛同していないことが
窺い知れる。5冊の小冊子をきっかけに知ったこの村が
今後どういった展開になるのか気になるところだ。
 
岡野祐三
 

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