「PUSH PIN」

1950年代初頭からアメリカで誕生した

デザイン・グループ「PUSH PIN」
その制作スタイル、表現力、作品群は
アメリカのグラフィック界に衝撃を与え、
そのまま日本にも伝わった。




「絵好き」を自負する僕ですが、
その視線や興味は、ほとんど
アニメや漫画の方ばかり向いていて
「イラストレーション」については全くの無知。
勉強不足。

ぶらりと寄った銀座グラフィックギャラリーで
公開されていた展覧会「THE Push Pin PARADIGM」

そこには、粟津潔、宇野亜喜良、横尾忠則・・・えーと、
名前が出て来ないけど、他にも60年代から活躍して来た
デザイナー、イラストレーターの作品の中に
「見た事ある」テイストが盛り沢山。
日本のデザイン、イラストレーションに
強烈な影響を与えた事が「見て」わかる。
あらゆるイラストレーションの原点があり、
今でも遜色無く使えるアイデアの博覧会。
見本市。
バーゲンセール。

「PUSH PIN」の活動期間の中から
数多くのイラストレーター、
グラフィクデザイナーが登場しているようですが、
今回の展覧会では「シーモア・クワスト」
「ミルトン・グレーザー」「ポール・デイビス」
「ジェームズ・マクミラン」の四人をピックアップして
印刷物や原画などを交えて、200点ほど展示していました。
しかし、この四人が描いてきた
様々な表現、あらゆるタッチのイラストに圧倒されます。

ブラックなユーモアから、ただフザケただけのようなタッチ。
イラストの中に吸い込まれるような表現から
平面を飛び出し、迫ってくるような圧力を感じるタッチ。
時間や感情、雰囲気まで表現しうる表現の幅。
ディフォルメされていくことであらわになる内面。
テーマ。メッセージ。
イラストレーションて、まだまだ何でも出来る気がして来た。



反面。
最近見て来たグラフィックデザインやイラストの中にも
「プッシュピンが原点だったのか」と思えるものがいくつか。
様々なデザインも、手描きがデジタルになり、
より細かく、洗練されてはいるが、
その基本となるアイデアや表現の多くは、まだ、ここ、
この範疇から脱する事が出来ていないのか?とも思えた。
とはいえ、
こっちが先だからオリジナルで、以降はマネ。とかでは無く。
過去の様々なテクニックを、知ってやるのと
知らないでやれないのでは大きく違う。
たとえ同じ様に描いても、時代の空気を含むことで
今の表現になっていくと思う。
色々見て、学んで、
片っ端から引き出しに放り込んでおきたい。


「THE Push Pin PARADIGM」
銀座グラフィックギャラリー(11:00〜19:00)
9月2日(木)〜9月28日(火)まで。

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