白川義員 世界百名山


登山が趣味という人間ではない

中学生の時林間学校で霧ヶ峰に連れて行かれたときも

ひたすら山道を歩かされ地面ばかり眺めて

この苦行はいつ終わるのかとばかり考えていたことがあった

あれから幾星霜、里山や森にでかけるのは大好きになった

尾瀬や上高地にも連れて行かれ自然の美しさや そこにいるときの

和む気持ちはなにものにも代え難い

ここ数年ネパールに行く機会が与えられたが 飛行機でみた

ヒマラヤの峰々が人々を引きつけるのはなんであろう

カトマンズからへりでダウラギリの麓の村に飛び

アンナプルナ山系の峯々の間をヘリで滑空するときの

変貌する大自然の造形に神々の住まいを直感した

たまたまNHKの番組で白川が百名山の撮影に挑んでいる映像を

みる機会があった ネパール空軍の援助をうけて

綿密なタイムスケジュールで日の出の時刻にあわせて山頂めがけて

フライトするわけだが 数分の遅れがいのちとりになる

地獄の竈のように燃え上がった真っ赤な山の姿をとらえるのは

難しい 8000m級の山並みをめざしカメラを座席にくくりつけ

酸素マスクをしながら飛行機の窓を開けて撮影するなど

高いきけんが伴う

できた写真を見ればわかる この人だけに許された

まさに命がけの写真である 山の写真が人を引きつけ息をのませる

地球が生きていることを 見ることで魂の深いところに届く

感動があることが伝わってくる映像である

印刷が素晴らしい









堀木

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