動物画の奇才・薮内正幸の世界展

5月24日まで、吉祥寺美術館にて開催中です。
「どうぶつのおかあさん」や「くちばし」
「しっぽのはたらき」などの絵本から
アニマなどの雑誌、動物図鑑などで活躍されていた
薮内正幸の展覧会を見に行く。
印刷を念頭に置いたカラーイラストの迫力と
躍動する筋肉を覆っている毛並みや、羽根の重なりを表現した
繊細なモノクロのペン画を、のめり込むように鑑賞。
芸術家ではなく、イラストレーターであり
挿絵画家というスタンスの絵は、修正の後が沢山残っていて
むしろそれが得も言われぬ迫力に感じられた。

雰囲気ばかりの絵本の中で、こうした
科学的に正確な形を、子供たちに提示してきた意味は大きい。
子供を必要以上に幼児扱いしないスタンスに共感する。

カラーイラストもさることながら
モノクロのペン画の見事さに衝撃を受けた。
個人的に趣味で、チマチマとペン画を描いていたので
明らかに違うクオリティーにクラクラしながらも
その分、得る物も多く、とても、かなり、すっごく
参考になった。(活かせるかは分からないが)

写真の画集は、今回の展覧会用ではなく
薮内正幸美術館に用意されているスケッチ集。
自由に、生き生きとしたタッチで動物や鳥たちが描かれている。
迷い線というより、遊び線が多く、描き方が楽しげで、
見ていて飽きる事がない。
ちょんちょんちょんと、
わずかなタッチで仕上げた鳥の落書きや
走り回る線の中から造形される動物の、
見事なまでの表現力に感嘆.。

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