「写真は本にして楽しもう」

●どんどんたまる写真問題

フィルム時代と違って、今の方がみなさん、
たくさん写真を撮っていると思います。
しかも、日常的に。

撮りためた写真、どうしていますか?
あとで整理しよう。とかって
永遠に後回しになっていませんか?

まとめられていない写真て
後で見返さなくなりません?
撮りっぱなしの膨大な枚数の写真を見せられるのも
大変ですよね。

自分はFUJIFILMのフォトブックサービスを使って
イベントごと、テーマごとにフォトブックにしています。

フォトブックは、ページ数と
写真の最小・最大の収容枚数が決まっていて
ページが増えると金額が増していきます。
なので、ただ闇雲に撮った写真を全部フォトブックにすると
とても高くついてしまったり、写真も小さくなったりと、
お金がかかる割に、あまり面白くない仕上がりになってしまいます。

コストを抑えつつ、でも、いい写真は本にしたい。
という精神状況下での「選択」が
絶妙な仕上がりの手助けになるんです。

せっかく本にするのであれば、
いい感じにしたいですよね?

え?「でも、面倒なんでしょ?」ですって?

いえいえ、
コツがあります。

「編集」です。

撮りためた写真のデータを持って
いきなりお店に行く前に
撮った写真を何度も眺めながら
必要な写真だけ(USB、CD-Rに)まとめましょう。
そこまで済めば、作業全体の7割~8割終わってます。
あとは楽しいレイアウト作業です。
お店にダッシュしましょう。

あ、ネットでフォトブックを作る人はお店に行く必要はないですね。
今では様々なフォトブック制作のサービスがあるので、便利ですね。
自分は昔からお店でフォトブックを作っていたのでその方が気楽です。
ここでは自分がいつも作っている様子が書けたらと思います。

昔のアルバム
昔はこんな感じでした。 これでもデジタルカメラを使うようになってからのアルバムです。

●さて、では、「編集」とは?

写真を選ぶ基準を「上手に撮れた写真」
「盛れた写真」「かわいく撮れた写真」といった
一点一点のセレクトではなく
テーマを念頭に、写真と写真が繋がって、
続けて見ると「ストーリーになるよう」に選ぶことがポイントです。

「旅」「イベント」「田舎」「成長」「ペット」
「四季」「水」「雪」「友達」「飲み会」などなど。
撮りためた写真の中に
「編集」テーマはいくらでもあると思います。

テーマごとに、どんなストーリーにしたいか。
物語の「始まり」と「終わり」を決めて
写真を選んでいきます。

材料は、自分で撮った写真しかないので、
撮ってない所は諦めます。
あ~、撮っとけばよかった~、と一瞬、クヨクヨしたら
次回、忘れずに撮るようにしようと心にメモって、
さっさと編集作業を続けましょう。

似たような写真は、綺麗に撮れている方だったり、
ストーリーに必要な方を選んでいきます。
あえて、両方残して、お店でレイアウトされた状態で
見て判断するのもアリです

●実は、大いに役立つのがフォトブックの仕様。

選ぶ枚数は、フォトブックの制約を利用して
予算や、イベントの規模感から想定したページ数の
MAX写真数より7~8割の枚数を目標に写真を選びます。
例えば、自分が毎年作っているフォトブック
「山田家の元旦2022」は32ページのフォトブックになりました。
仕様では15〜180枚まで入れることができるのですが、
実際に選んだ写真の枚数は122枚。
だいたい7割にしています。

「山田家の元旦」シリーズ
今年で10冊目になる「山田家の元旦」

選んだ写真の枚数が、収容枚数MAXに近づくと
一点一点が小さくなります。
逆に最低数に近くなっても、
似たような大きさの写真が展開するレイアウトが続き
面白くない仕上がりになってしまいます。(経験上そうなのです)

「編集」された写真だけになれば、あとはお店の
優秀なフォトブックの自動レイアウト機能に任せて
組み上げてもらいましょう。
用意されたフォーマットに自動的に写真が配置されます。
AIが思う「これいいじゃん」という写真が大きく配置されます。
同じパターンにならないように展開したり、色味で整えたりもします。
なかなか気が利いています。
日本中の何万冊ものフォトブックを作ってきた優秀なAIですから
だいたい良い感じに出来上がります。

●ここからは「編集デザイン」の作業になります。

レイアウト、わずか1分弱で組み上げてしまいます。
AIの進化にデザイナーの未来が危ういかも、ってそれはさておき。
組み上がったらザッと
全体の感じ→見開きごとの写真配分→個別の写真、と確認します。

だいたい良い感じなのですが、
上手くいっていないページもできてしまいますし
おいおい、これを大きくするなよ。とか、逆になぜこれが小さい。とか、
この写真は前のページに収めたいけど、どうしよう。とか、
実際にページにおさめてみたらイマイチだった、と思う写真も出てきます。
最終的には自身がアートディレクターになって
手直ししていく作業をします。

山田家の元旦
「山田家の元旦2022」より

フォトブックには文字情報が入らないので、写真の大小の展開は重要です。
同じイベントでも、語る内容が違えば選ぶ写真も変わってきます。
語るにしても、ダラダラとしたメリハリのない語りでは飽きるのと同じです。
話の中には導入や山場がありますよね。
話が長くなる場合には、息抜きのような間や
小ネタを入れて次のエピソードへ繋いだり
内容を大きく変化させるような転換などといったリズムがあると
聞きやすいかと思います。
写真も、同様に、語るように選ぶと良いような気がします。

例えば、大きく扱いたい写真を決めてから、
その前に並ぶ写真は大きい写真につなぐ布石。助走。盛り上げ。
からの、ドーン(大きく扱いたい写真)。

どんどん手を入れていきます。
写真の入れ替えや、見開き単位ですがレイアウトの変更もできます。
大きく見せたい写真は大きなスペースに。
写真の順番も見直しましょう。
傾いた写真は「角度修正」もしましょう。
写真によっては「トリミング」もしてみましょう。
しっくりこない写真は外してしまっても良いと思います。
失敗したような写真をアクセントに使ったりするのもアリです。
均等にインスタグラムのような正方形のレイアウトもできたりします。
(注:機能についてはメーカーやバージョンによって様々です)

凝り始めるとどこまででもできますが。
基本的に制約が多く、型にはめていくだけなので
「できない」こともあります。
そういう時は潔く諦めましょう。
むしろどんどん諦めましょう。

「デザイン」とは言えないかもしれませんが、
編集デザインの入門と言えなくもない。
一発目の機械任せからひと工程整えるだけで
仕上がりはグッと良くなります。

●記録を楽しむ

いかがでしょう。
ぜひ、撮りためた写真を見直して
色々なフォトブックを作って
本棚に自分の写真集のスペースを
作ってみるのも楽しいと思います。

プレゼントにもオススメです。
データを焼いたCD-Rや、バラバラとプリントした写真を渡すより
まとまっている上に、曲がりなりにもストーリーがあるので
「編集」したフォトブックは意外にも大変喜ばれます。
「え?そんなに喜んでくれるの?」って感じです。
あれ? じゃ、次も頑張っちゃおっかな?って
思ったり。
あげる相手のリアクションを考えながらの制作は
大いにモチベーションになります。

色々フォトブック
知り合いの先生が開催するコンサートを記録したフォトブックなど

撮った写真はSNSにアップするだけでなく
大きく伸ばしてプリントしたり、こういったフォトブックといった形で
データの中からこの世に出してほしいと思います。
ましてや、撮って終わりではなく
撮った後も写真で楽しんでほしいですね。
ぜひ、素敵なフォトライフを~。

山田のフォトブックの作り方のまとめ
1:必要な写真だけまとめましょう
2:MAX写真数より7~8割の枚数を目標に写真を選びます
3:自動レイアウト機能に任せて組み上げてもらいましょう
4:組み上がったものを手直しして作業終了。完成です

追記
私たちの仕事「エディトリアルデザイン」は写真だけでなく、
文字情報も同時にレイアウトしますので、
考える工程はフォトブックの比ではありません。
AIと違って、自動的に組み上がることはないのですが、
デザイナー(人力)が対応いたしますので
組む前に相談していただくことが可能となっております(笑)。
相談前に、可能な限り編集していただけると話が早い。
編集まで済んでしまえば全体の7、8割終わったも同然ですよ。
なにかありましたらお声がけよろしくお願いします。
(ちゃっかり営業)

文責:山田

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