エイデル研究所様:「子どもたちへのまなざし」ができるまで—3

前回の記事からの続きです。

エイデル研究所様からご依頼「子どもたちへのまなざし」
著者:渡部達也(わたなべたつや)さん(NPO法人ゆめ・まち・ねっと代表)

今回は表紙について。

表紙のお打ち合わせ

以前、撮影同行について書かせいただきました。
その時の記事はこちら

このときのお打ち合わせは「表紙について」でした。

お打ち合わせ日の直前にタイトルが決定し、同時に編集者さんを通して
著者の渡部さんからのご要望等について連絡をいただきました。

編集者さんから伺っていた情報は
・メインに使用したい写真。
・渡部さんが作られたラフ案。
・帯に推薦文を入れたい。
・推薦文は田中康雄先生が執筆。
ということ。

また、帯の推薦文は帯を外した時にもあって欲しい
とのことでした。

このご連絡を受けて急遽、叩き台を数パターン準備。

お打ち合わせの様子。
著者の渡部さんがFacebookにアップしてくださいました。
(下の写真はその引用です。)

撮影:NPO法人ゆめ・まち・ねっと様

表紙案の叩き台を基に方向性を絞っていきます。
写真メインの表紙か、文字をメインにするか……

写真は大きい方が迫力が出る。やっぱ大きくしたい!

タイトルも「ドン!」と目立たせたい。力強さも欲しい。

帯の、田中先生の推薦文もしっかり伝えたい、大切にしたい。


貴重なご意見を受け止め
伝えたい情報の優先順位などを整理しながら詰めていきます。


表紙に想いを込める

その場で皆さんとご意見を交わし合い

著者の渡部さんの
「本の帯は捨てられてしまうこともある。そうなったときに
表紙から田中先生の推薦文が無くなってしまうのが悲しい」
という、田中先生への絶大なリスペクトから

じゃあ帯の無い表紙にしましょう。

ということが決まり、表紙の中で
「タイトル、著者、推薦文、推薦者」
それぞれの差別化をどうするか。
を、宿題に持ち帰ることになりました。

そうして出来たのがこちら

帯が無い(帯風デザイン)ということで
帯に当たる部分を斜めに。

角度をつけることで写真を大きくすることも出来て
何よりも“動き”を出すことが出来ました。
飛び込みのダイナミック感も強調されました。

推薦文もメッセージとして効果的な配置にできたと思います。

裏面の下半分は、たごっこパークに置かれているメッセージ。
活動への想いがつまっています。私の大好きなメッセージです。

上半分は

たごっこパークでみんなが集まる“たき火”。

だれでもどうぞ。の想いが込められているボード。

そして、そこに足跡を残していく子たち。

私が感じたなりの、みんなが集まれる
ゆめ・まち・ねっとらしさが伝わったら
という想いで写真を選びました。

叩き台段階の表紙たちは渡部さんがFacebookにアップしてくださいました。
(下の写真はその引用です。)

撮影:NPO法人ゆめ・まち・ねっと様

冒険遊び場たごっこパークに置かれているメッセージ


表紙カバーを外すと…

カバーを外した状態の本体表紙は
カバーと同じデザインを単色刷りで、という書籍も多いのですが
同じデザインでは、カバーを外した時の感動が無い。

ということで本体は別案を思案。

本の中が写真とイラストを使い分けているので
カバーと本体でも、写真とイラストの使い分けを提案。

目次に描かれているキャラクター達に
本体表紙でも再度、登場してもらうことにしました。

また、図書館に置かれる時などは、カバーが外される場合もあるそうで
「本体だけでもタイトル、著者名が分かりやすいように」
というご要望もあったので、文字周りはスッキリ、読みやすく。

「子どもたちへのまなざし」のタイトル。
そして子どもたちに眼差しを向けて、二人三脚で歩むお二人。

裏面には、たごっこパークのメッセージと
自由に駆け回る子どもたち。

三人組は…目次ページで勉強してて、ここでも勉強していて
……以外と真面目な三人組(笑)

実際の書籍では開くことは難しいかも知れませんが
広げると、こんな感じです。

子どもたちが駆け回っている近くで
少しだけ離れてお二人が眺めている。


うまくいくもいかないも、子どもに引き受けて欲しい。
過度な干渉にならない距離。でも、見守ることができる距離。

そんな距離感を意識しながら配置しました。

表紙カバーと本体表紙の共通は
タイトル周りの文字と斜めの面。

けど、それ以外のキャラクターを変えることで
それぞれにメッセージが伝わる表紙を目指しました。

中身では“外す”部分も作りました。
各章の扉ページは、章毎に写真の配置を変えています。


表紙の役割

ここまでデザインの事を語らせていただきました。

以前、会社の大先輩から
表紙デザインの大きな役割は“内容の表出”だと教わりました。

書籍の中に素晴らしい内容が書かれている。
その内容を求めている人がいる。
届けたい人がいる。

その人たちに
「求めていることが書かれていそうだ」
「ちょっと中身を見てみようかな」
と思ってもらえる表紙になっただろうか。

その目的をより多く果たせることが
良い表紙(装丁)なのだと思っています。



著者の渡部さんはもちろん、編集者の方々や周りの方々等
書籍には多くの方々の想いが詰まっています。

その想いが、一人でも多くの
“求めている人”に伝わったらと願います。

いよいよ9月28日(火)の発売です。



文:大友

書籍『子どもたちへのまなざし』
9月28日(火)の発売予定。
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『子どもたちへのまなざし』ができるまで—1

『子どもたちへのまなざし』ができるまで—2

『子どもたちへのまなざし』ができるまで—4

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