“歌い方”もデザインできる!?

突然ですが、皆さんは歌は好きですか?

私は歌が好きです。いえ、大好きです!

歌を聴いていると元気が出たり
勇気が湧いてきたり
力がみなぎったり
心が落ち着いたり
気持ちを整理できたり
涙が止まらなくなったり


その時々、聴く歌によって心が大きく動きます。


私にとって歌は心のケアに欠かせないものです。


また、聴くことはもちろん、私は歌うことも大好きです。

特に一人でカラオケに行くことが好きで
多い時には同じ週の内に何度も通っていました。
このご時世で、すっかり激減してしまいましたが…。


そして「心の動き」は、自分が歌う時にも起こります。


例えば歌詞を読むことで改めて曲の良さに気付き、心が動くのです。


頭を空っぽにして思いっきり大声を出すと
ストレスも発散できて気持ち良いですよね。

けれども、歌詞と向き合ってみて
もっと内容が伝わる歌い方をしたい。
もっと曲に合った歌い方ができるようになりたい。
そう思うようになりました。

歌い方も考えるようになりました。



私の場合、まず歌詞を読み、解釈し、イメージを膨らませます。

曲ごとに、どんなことを伝えたいか。


まず全体のイメージを考えて、ブロック…フレーズ…単語…
と、細かな部分まで、歌詞の内容やメロディによって
歌い方のプランを組み立てていきます。

そうすることで、ただメロディを音符として追いかけるよりも
曲に対して自分なりの目的意識を持って歌うことができます。


昨年、テレビ朝日の番組「関ジャム完全燃SHOW」にて
歌手のLiSAさんが出演された時にご自身の歌唱プランを公開されていました。

番組内で公開されたLiSAさんの炎(画像はAメロ〜Bメロ)の歌唱プラン
テレビ朝日「関ジャム完全燃SHOW(2021年5月23日放送回)」


ブレスの位置やアクセントの付け方、子音を強調する位置
沈み込むように歌う部分、裏声を使う部分
何をイメージしながら歌うかなど
文字や記号で歌唱プランが細かく書き込まれています。


私がお世話になっているボイストレーナーの
尾飛良幸(おび よしゆき)さんが以前、仰っていました。

歌の訓練は「技術力」と「表現力」両方の訓練が必要です。
プロの歌手や、歌が上手と言われている人たちの多くは「表現」の部分も
しっかり計算して、コントロールした上で歌うことができます。
そのためには「心の統制力」がとても大切になります。


技術の部分は、声を出すための姿勢や呼吸方法。
リズム感や音程、音の発音などのトレーニング。
体幹を鍛えるのも技術向上のトレーニングになります。

表現力は技術以外の部分です。
歌詞を読み解き、歌詞の景色を頭でイメージしたり
どう表現したいかを考え、それに合った
歌唱プランを組み立てていくのが表現力です。

そして感情まかせの表現に偏ってしまわないよう
「心の統制力」でコントロールするそうです。


また、ボイストレーナーの尾飛さんは
こんなことも仰っていました。

誰に向けて歌うかを考えることも大切です。
聴いた人がどうなって欲しいのか。
あるいは、どんな表情で聴いて欲しいかなどを
しっかりと明確にイメージして歌いましょう。



明確にイメージするかどうかで歌い方が変わるというのです。
その場にいない人や想像、例えば、過去の自分に向けて、
二次元キャラに向けて歌う、などでもOK。
このイメージは鮮明なほど良いそうです。


ふむふむ、つまり

内容をよく読み「誰に」「何を伝えるか」そして
「どうなって欲しいか」を明確にイメージして
好みや感情まかせで無く「伝わり方」を考えて最適な表現を探す。


あ……


これ、いつもデザインでやってるやつだ。


歌もデザインも「伝える」ための手段!!
そこには、なんら違いはありません。一緒。
そう思い至りました。

伝わり方が視覚か聴覚か、という違いだけ。
「歌い方をデザインする」と考えると、しっくり来るというか
考えることと歌うことが、より楽しくなりました。


思えば

・原稿を読んで、鉛筆を持ったとき
・歌詞を読んで、マイクを持ったとき

どちらも私の脳内は似た働き方をしています。


受け手の心が動いたら良いなと思いながら
あれこれと伝え方の作戦を練るのです。

そう考えると、皆さんにとってもデザインが
少し身近に感じられるのではないでしょうか。

伝えることを意識して歌い方をコントロールすると
歌が上手くなる(ような気がする)のでオススメです。

更に、歌うことによって自分の心だけじゃ無く、もしも
ほんの少しでも、あなたの歌を聴く人の心まで動かせたなら
最高だと思いませんか?


皆さんも、心が動くような歌を
どんどん聴いて、歌って
歌い方をデザインしてみましょう!

注:
お友達とカラオケに行くときは、相手の歌を
あまり分析し過ぎると嫌がられる可能性もあります。
今回の話は「歌う時」のおすすめです。(^^;)



文:大友



デザインコンビビア

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尾飛良幸さんのwebサイト
株式会社Diamond Music Tour

※今回の記事制作にあたり、尾飛さんに教わった言葉の掲載許可をいただきました。


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