わたしたちの会社案内ができるまで〈2〉

ターゲットとコンセプト

2019年の年が明けて。
研修日の会議から、会社案内を新しく作り直すという話が出た。
長く使っていたA3三つ折りの会社案内が残り少なくなったので、
増刷のタイミングで新しい会社案内に切り替えよう、
そんなキッカケだったと思う。

編集委員は若手の田島と大友が動き、古手の山田はサポート的な立ち位置で参加。
毎週ミーティングを重ねて行った。

会社案内で、誰に(誰のためのコンビビアか)、
何を(技術?魅力?)、案内するのか、などなど。
雲をつかむような部分からの話し合いがしばらく続く。

古手のスタッフは、過去いくつも会社案内を作り、ホームページを作ってきた。
まれに、研究者の方からもお声をかけていただくこともあるが
ほとんどは印刷物や出版物のプロが対象となるので、
「コンビビアの技術(うで)は見れば分かるだろう」という想定のもと
アーカイブを中心にクドクドと説明しない形で作っていた。
質の高いデザイン(仕事)を提示して、多くは語らず、
クールな印象のデザイン会社という見せ方だったと思う。
(サイエンスや医療、教育、キリスト教関連など、仕事の硬さも背景にあった)
それがコンビビアらしさと思っていたが、
実際のスタッフはというと、昼はいっしょに食べ、一斉にお茶し、
イベントが有ればゾロゾロと全員で参加しに行ったり、
仕事と関係なく小さな催しを開いて人を呼んだり、…コンビビアを知る人たちには、
「なんて仲の良い(あるいは面白い、または楽しい、もしくは不思議な)会社なんだ」
と思えるらしい。つまり、どこがクールなんだと。

この、見せ方と見え方のズレを揃えるためにも
まず方向転換、根底に人感を通すことになった。

また、仕事の幅が変わって来た印象があった。
もちろん、収入のほとんどが印刷物や出版物で、
今後もその割合が変わることにはならないと思うが
それしかやらない会社ではない。
同友会に参加する社長。講演を聞きに行く古手のスタッフ。
WHAISという建築プロジェクトに参加する女性スタッフ。
回し読みしている日経デザイン。等々。
それぞれの方向からデザインというものの捉え直しが進み
デザインを自由に使えるようになると、
色々なことが可能になるという事がわかって来た。
なんとなくデザインの広がりみたいなものも
考えられるようになって来ていた。

そういう「何かできそう」な雰囲気を伝えたい。

そうすると、それまでの印刷物や出版物のプロに向けて
というアプローチではない会社案内にする必要がある。
いわんや「シゴトクダサイ」という会社案内をや、である。
手に取ってくれた人が、ふ~ん、コンビビアね。と眺めてもらうのではなく
へ~、コンビビアね。と少し前のめりに、少しワクワクする感じとか伝えられたら。
って、そんな会社案内、どうやって作るのか。

ミーティングを繰り返す中、
だいぶ早い段階で、「絵本」というコンセプトが出ていた。
絵本までドラスティックな形ではないにしても、
なにかしらのストーリー性を取り入れる形になりそうだということは
リブランディングに関わる3人には共通の認識だった。
そこから、長い長い戦いが始まったといっても過言ではない。

(山田)

デザインコンビビア

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