仕事の中に「好き」があること

東京・新宿にあるデザイン会社、㈱デザインコンビビア代表の飛鳥井羊右です。皆さん仕事が好きですか。仕事の中に「好き」な部分がありますか。学生さんは好きな仕事見つかりそうですか。仕事を好きになることについて、僕の経験からお伝えしたいと思います。

学生時代やりたいことが無かった

僕は今、デザイン事務所の経営者ですが、現在もデザイナーとして仕事しています。デザイナーになる人の多くは、なりたいと思い、デザイン学校を経て社会に出てくるのだと思います。

僕の場合はコンピューターの学校を出て、特にやりたいこともなくフラフラしていた20歳の頃に、知人の紹介でアルバイトに来たのが始まりです。なんとなくアルバイトにきて、なんとなくおもしろいと思い、そのまま入社してしまったのです。雑誌や書籍のデザインを専門にする会社があることも知りませんでした。

デザインの基礎も何も知りませんし、絵も描けません。そんな僕を先輩方は見放さずに丁寧に教えてくださいました。また、会社の実技研修日には、デザイン学校の授業のような感じで教えてもらえました。

不器用だったけどコツコツと

僕はコンピューターの学校を出ましたが、入社して4年間はほぼ毎日、紙に鉛筆・消しゴム・三角定規でデザイン業務を行っていました。今のようにパソコンで全部できる時代では無かったのです。学校で学んだこと何一つ活かせず、新しいことに取り組む日々でした。

しかし、これがあったから今の僕があるのだと思っています。基礎を学べたのはこのアナログ作業の仕事のおかげです。ちなみに、小学生時代は図工では2(5段階で)ばかり。とにかく不器用で絵も描けないし工作も下手でどうやっても苦手でした。

少しでも好きだと思えることならがんばれる

僕がデザイナーの仕事を続けられたのは

  1. 会社には良い人ばかりだった
  2. デザインの仕事そのものに興味を持った
  3. 自分で学ぶことが割とできるようになった

この3つがそろったから続けられたのだと思います。学生時代は「勉強」が苦手でした。

その理由を今考えると

  • 「勉強」は他者にやらされている(強制的)
  • 「学び」は自ら行っている(自主的・能動的)

この違いなのかなと思います。

自主的・能動的に「学ぶ」習慣がつくようなことを見つけることができたら良いと思います。

日々の仕事だけでは足りない

仕事というのは初め

「知らないこと」「できないこと」「初めてのこと」ばかりです。

日々、仕事に取り組んでいくことで経験と知識が蓄積されます。そのままでも、それなりに業務がこなせるようになっていきますが、デザイナーのように次々と新しい表現を模索するような仕事は、基礎を学び応用できるようになる必要があります。そのためには日々の業務だけでは足りないことが多いです。

もっと多くのものを、見て知って考えることが日常的に必要だと思います。会社にもデザイン関連書籍が沢山有りましたので、それを借りて読んだりしていましたが、洋書なので内容がわからず何となくで読んでました。

学ぶ場と方法を見つける

現場でより役立つためには、自分でも学び続ける必要があります。実はこの蓄積によって仕事のスピードと質が全く別物へと変わっていきます。

僕は、日本語のデザイン関連書籍を買い込み繰り返し読んだり、世に出ている雑誌や書籍、パンフレットやカタログなど印刷物を収集し、どんな内容でどのような表現を使うのか、日々研究していました。そこで蓄積したものを、実際の仕事で試していく。デザインの仕事はその繰り返しです。

研究とトレーニングは学生よりも社会人の方が必要

例えば、プロ野球選手は試合に出て結果を出すのが仕事です。そのために研究やトレーニングを積み重ねます。実力がなければプロとして役に立ちません。僕たちデザイナーもそうです。クライアントの困りごとを解決するためには知識と技術が必要で、それは実践とトレーニングによってしか積み上げられないものだと思っています。

会社の実技研修で学ぶことも大きかったですが、1回聞いただけでできたら苦労しません。本当に向いてないなと思ったことも数え切れないほどあります。

がんばるために必要な「好き」

こうした苦労は誰にでもあると思います。それを乗り越えられるかどうかは、その苦労の中に少しの「好き」があるかどうかだと僕は思っています。多少苦労しても頑張れるのは「好き」だからなんだと思います。あと、一緒にがんばる仲間がいること。そして苦労して乗り越えて良い結果を出せた時に「成長」できて「楽しい」「うれしい」となるのだと思います。それに加えて人に感謝されたら、もうやめられません。だから頑張るのです。

修行だと思うこと

小さいときからジャッキー・チェンのカンフー映画が好きで、主人公は弱くても修行を続けることで強くなり、強敵を最後には倒す。その単純なストーリーが好きでした。この考え方はひょっとしたら僕だけのものなのかもしれませんが、仕事に対しても同じように考えています。しんどいと思っても「修行だ」と思い、修行すればレベルアップするしもっといい仕事ができて、お客さんも喜ぶだろうなと。さらに自分も次のステップに挑めるのだと思います。

そんなことを日々考えながら25年デザイナーをやっています。

まとめとして

仕事の中に「好き」が1つでもみつかれば、そこから興味を広げていったらいいのだと思います。お客さんと対話することが好きならそこから、デザインの研究が好きならそこから、何でもいいと思います。好きなところから深めていけばきっと、しんどいけど結果楽しいという領域にたどり着けるのではないかと考えています。

仕事はどうやったって、誰かのために行うことなのだから、好きな部分があってがんばれることに力を注ぐことが重要かなと思います。嫌いな要素が強すぎる仕事は本当に向いていないかもしれません。そこを良く考えてみるのをオススメします。

デザインについてもう少し知りたい場合は、過去会社のブログに書いたものがありますので、そちらもごらんください。

デザインコンビビア

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