科学目標を広報するためのイラスト制作

国内に向けてわかりやすく

国際深海科学掘削計画(International Ocean Discovery Program; IODP)で策定している、2050 Science Framework 。
その中の科学目標のうち、特に日本の研究コミュニティが力を入れている、複数の研究分野のポイント等をわかりやすく示し、国内に広く普及広報するためのイラストを制作してほしいという発注をいただきました。

ありがたいことに各々の研究を切りはりしてポンチ絵を作っていただきました(提供資料のためモザイク)


想いを積み上げた対話から、まだ誰も見たことのないイラストに

複数の研究分野をまとめると「地球」の今が面的に明らかになる。
複合的に地球を観察し、研究することで、立体的に見えてくる「今」と、予測できる「未来」。

叩き台:IODPの主戦場である深海から見る(研究する)地球というラフ

イラストの打ち合わせでは、それぞれの研究分野を代表した先生方がモニター越しに集合しました。
叩き台に描き込まれた内容に不備不足は無かったのですが、研究の先を示せないか、煮詰めます。
(「絵を作るの楽しい」と、終始ウキウキ面白がりながら意見交換が進みました)
研究者が揃って言うには、今(発注当時2020年)、地球はティッピング・ポイント1のピークだそう。
研究者に底通する危機感として感じていることでもあり、「この先、坂を下り出したら止めることはできない。」というメッセージを入れたい。とのこと。

先生から、球体にして転がすというアイデアが転がり出ました。

こういうことか

経験と工夫で、抽象的な概念をひとつの世界観へ

そんなビジュアルは今まで描かれたことがあるかというと、「見たことがない」とのこと。
参考となる資料が無い上に、発注する側も「どういう絵になるのか分からない」。イメージした表現で少し描いてみると「良いかもしれない」ということで、描き進めることになりました。

今回の研究を詰め込むとこんな感じか

イラストならではの工夫

プレートの生まれる海嶺から沈み込みまでの距離感を出すためには、横長のスペースが必須ですが、円の中に配置するとスペース確保がむずかしくなります。
以前の経験から今回は地球の断面も斜めにして遠近表現とすることで、距離を圧縮することにしました。

先生からの助け舟。ここから先は研究が及んでいないので省けるよ〜というメッセージ

更なる想いを乗せて

研究者はあくまで黒子だけど、ティッピング・ポイントから先へ転がり出ないように支える(できれば戻す、回復方法を探る)役割をしている。ということで、黒子のキャラたちが地球を支えている姿を描き加えて欲しいとの要望です。唐突な印象ですが、研究者の気持ち(心意気)の部分の表現だと思いました。

打ち合わせの中で海にまつわるトピックスが出たので、イラストの端々に描き込み、密度を上げました。

シビアな現実(観測結果)からこの先の大変さも滲みますが、ポジティブな活力のあるイラストになりました。

ティッピング・ポイントのグラグラ感などは「わかりやすく」示すために「漫符」の使用もOKになった
横位置に使用するかもしれないというバージョンも納品

頭の中にあるぼんやりとした想いや、「こんな表現できるかな?」という迷いも、
対話を重ねることで必ず形になります。

「完成図が見えていない」段階こそ、ご相談ください。 
あなたの伝えたい想いを、工夫と技術と経験で形にいたします。

デザインコンビビア

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  1. ティッピング・ポイントとは、ある小さな変化や条件の積み重ねが限界点(閾値)を超えた瞬間、物事が一気に大きな変化を引き起こす「転換点」や「臨界点」のこと ↩︎

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