同人誌からのファンでして

世田谷文学館にて、
『漫画家・森薫と入江亜季 展』―ペン先が描く緻密なる世界―
2024年11月2日(土)~2025年2月24日(月・祝)
一般:1,000円。開催中。

ナニヲカクソウ森薫先生のファンでして。
デビュー直前に某即売会で、
たまたま買った同人誌に感激して以来
黙々と追っかけておりました。
今回、漫画の制作過程が見られるとあらば当然行きます。
ほんとは簡易でもいいから図録が欲しかったのですが
あいにく用意はなく、そのかわり?
展示作品すべて撮影OK(スマホでのみ)という
良いのか悪いのかよくわからないシステム。
一応、何枚か撮影しましたが
いや、これ、また見にきた方が良いな。

森先生は右の絵

昔、漫画家の展覧会というとかなりオタクかマニアかといった、
濃い層のファンがコソコソ集まる集会のような扱いだったのに。
あのルーブル美術館での展覧会以降、大きな美術館でも漫画を、
しかも現役の漫画家の、さらにいえば連載中の漫画を
大々的に展示することもずいぶん多くなりました。

漫画原稿は、印刷が済めば用済みとされていた時代があり
締切に間に合わせるために、コマ単位で切り分けられ
複数のアシスタントに同時に作業してもらってから貼り戻して
完成させるという荒技も横行する時代があり
保管にまで気が回らない漫画家はやむなく捨てることもあっただろうと思われ。
ホワイトや、スクリーントーン、セロテープなど、
経年変化に弱い画材も使用するため
なかなか綺麗に残しておけるものでもない。
完全原稿そのものが貴重なものなのだ。

森薫の漫画はとにかく、
その世界を編み上げるかの如く濃密に、
緻密に、執拗に描き込んで紡ぎだす。
こうして手で、ひと線ひと線、
インクを刻み込むように描き上げられた原稿を見るともう、
それだけでグッとくるものがあります。
時代遅れのノスタルジジイの勘違いコメントなのかもしれないけど。
やっぱり、手描きの原稿は良いものだ。

超絶美麗な生原稿や
漫画ができるまでを追いかけながら、
かつての自分もヘッタクソな漫画を一所懸命描いていた時代があり、
漫画がなければ生きてなかったかもしれないと思うし、
漫画があったから生きてこられたと言えるので。
これからも漫画を心の中心に生きていくんだろうな〜と、
改めて思い出した展覧会でした。
ありがとう、漫画。
これからもよろしく。

『シャーリー』『エマ』『乙嫁物語』。。。できれば同人から読み直したい。
引越しの時にどこかの段ボールに入れたままなので、まず
屋根裏を捜索しなければ。
(同人は更に奥底に)

文責・写真:やまだ

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