「魂のイラストレーター」

僕の原点といっても過言ではないイラストレーターを紹介します。

この方のことを語り始めると、いくら語っても語り足りないので

やや長文になることをお許しください。

 

 

去年の年末に購入し、

現在、我が家の宝物になっている画集があります。

 

その画集のイラストレーターは磯野宏夫さん。

「聖剣伝説2」のパッケージイラストといえば

分かる方も多いかも知れません。

僕は中古で購入したので

箱のパッケージはありませんでしたが。

(欲しかったなぁ……箱)

 

 

磯野宏夫さんCDジャケット

箱がないので

イラストを眺めるには

攻略本やサウンドトラックCDなどを見るしかありませんでした。

ちなみにサウンドトラックは今でもi-Podで聴いています。

 

 

小学校の頃、聖剣伝説2のゲームソフトを購入し

オープニング画面の見事さに圧倒されました。

もちろんゲーム自体も大好きでしたが

オープニング画面だけを何度も、何度も、

夢中になってずーっっと眺めていたことを覚えています。 

電源を入れると、最初は黒い画面に風の音だけが流れ

ピアノの静かな音と共に少しずつ画面が広がっていき

音楽の盛り上がりと共に画面が一気にわっと広がっていき

フラミンゴの群れが一斉に飛び立つ

なんと美しい映像なのだろうと

小学生ながら、心から感動しました。

 

中学校に上がると教科書をみてビックリ。

社会科の公民の教科書の表紙を描かれていました。

この頃にようやく名前を知ることが出来ました。

 

学生の頃は探してもなかなか情報がなく、

書店に行くたびに「画集とか出てないのかなぁ」と

探したのに見つからなかったものです。

 

それ以来、なかば諦めていて、忘れかけていたのですが

ある日、ふと思い出して検索してみると

あるじゃないですか!

ホームページ! と、画集!! しかも4冊も!!!!

磯野さんのホームページにて画集の購入フォームがありました。

もちろん4冊全て購入。

 

磯野宏夫さん画集

 

 

画集は自費出版されているそうです。

どうりで書店を探しても、なかなか見つからないわけですね。

 

翌々日、画集が届いてビックリ。

全ての画集に直筆のサイン!

しかも宛書まで入ってる!

 

本を開くと、そこには素晴らしいイラストの数々

とても緻密に描かれたイラスト。

一筆一筆にまで魂が込もっているような繊細なタッチ。

堂々と生い茂る樹木たち。

壮大な絵を前に圧倒されるしかありません。

眺めているだけで目頭が熱くなってくる思いです。

 

磯野宏夫さん画集

 

 

磯野宏夫さん画集

 

なんと美しい、繊細なイラストたち…

磯野宏夫さん画集_聖剣伝説

 

 

やっと画集でこのイラストを拝見することが出来ました!

素晴らしい!

小学生の時の感動が甦り、

また新たな感動が込み上げてきます。

素晴らしい物はいつ観ても素晴らしい。

おそらく10年後、20年後あるいはもっと先にこの絵を見ても

同じように感動すると思います。

 

ちなみに右ページのイラストと左ページの下が聖剣伝説2

左ページの上のイラストが聖剣伝説3のイラストです。

 

磯野宏夫さんイラスト_聖剣伝説2

 

 

とても細かく描き込まれていて、離れて観ても、近くに寄って観ても美しい。

磯野宏夫さんイラスト_アップ

 

 

とにかく密度が凄い!

まさに一筆一筆…一筆入魂の繊細さ。

これだけの色の数、手数にも関わらず全体のバランスもきちんととられていて

絵を見る度に新たな発見があり、ずっと眺めていると絵の中に引き込まれていきます。

 

 

 

また、3冊の内の1冊は画文集となっておりまして

湯本貴和さんという、生態学を専攻されている理学博士の文章と

磯野さんの絵が、惜しみなくふんだんに使われています。

内容は熱帯雨林についての説明と

今、いかに熱帯雨林が危機に瀕しているかという現状が

書かれています。

磯野宏夫さん書籍

 

 

この本には、磯野さんのイラストの解説も載っておりますので

そこも見所の1つです。

本の最後には湯本さん、磯野さんそれぞれの

後書きが載っているのですが

磯野さんの後書きの最後に、こう記されています。

 

 

以下、転載

 

本の出版は大切な森林資源の恩恵を受けて成り立つものです。

一冊一冊、いや1ページ1ページが、森のいのちを宿し、

永遠の存在であって欲しいという祈りを込めて、創ったのがこの本です。

熱帯雨林のすばらしさと、決して明るいとはいえない現状を、

一人でも多くのみなさんに知っていただければ、

これに勝る幸せはありません。

 

 

 

 

 

僕たちの仕事も紙媒体の仕事。

絵を描くにも文字を書くにも

出版物を作る上で紙は必要不可欠な存在です。

森の恩恵を受けるに足る、意義のある本を

作り出すことが出来ればと改めて思わされました。



文:大友

 

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