「静かなる詩情」展を観て

 Vilhelm Hammershoi
ヴィルヘルム・ハンマースホイ
「静かなる詩情」展を観て

19世紀末デンマークを代表する画家(1864-1916)は、
コペンハーゲン美術アカデミーを出た後「分離派」を設立、
当時主流の絵画とは一線を画す画風を目指した。
ヨーロッパで高い評価をうけ17世紀オランダの画家
フェルメールを思わせる静寂な空間を創出している。
と解説されています。
展覧会のポスターを観るまでは画家の存在も作品も
知りませんでした。が、後ろ向きの女性を描いた静かな絵に
強く引き付けられ観に行きました。

美とは、芸術とは何でしょうか。人はなぜ芸術的な活動を
するのでしょうか。なぜそれらを鑑賞するのでしょうか。
その疑問をますます深めさせられた思いがします。
なぜ自宅の室内ばかりを描き続けたのか。なぜ殺風景に描くのか。
そこに何があるのか。疑問はつきません。しかし、何もない空間には
確かに何かが存在しています。「光、影、空気、無音の音、気配のない人」
等々、確かにそれらがありその中に人の心を捉えてやまない何かがあります。
美とは、芸術とは何か・・・ますます捕らえどころが無くわからなくなってしまいますが
その中に答えがあるのだと強く感じさせる作品群です。

2008年11月
岩崎 記

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