（独）国民生活センター様：「くらしの豆知識」ができるまで

『2026年版くらしの豆知識』『2026年版くらしの豆知識セレクト版』の
デザイン制作に携わらせていただきました。

『くらしの豆知識』は国民生活センター様から毎年発行されている冊子です。
弊社では2019年版、2024年版、そして今回の
2026年版を担当させていただきました。

内容は「消費者トラブル対策本」とある通り
インターネット上のトラブル対策から外出時の防犯対策まで
様々なトラブルから身を守るための知識が豊富に掲載されています。
そのほかにも、お金や契約に関わることや食品ロスのこと、災害時の備えなど
くらしに役立つ様々な情報が満載です。

一つの記事が見開き2ページ、もしくは１ページで完結しているので
目的に合わせて読みやすい冊子になっています。

また、昨年の2025年版から「セレクト版」という冊子が
新たに発行されています。

セレクト版は主に10代、20代の若い方に向けた内容を厳選した一冊です。

単なる抜粋ではなく、通常版から一部加筆・調整を施すとともに、
表現もより親しみやすく、柔らかなものに見直されています。
コンパクトで価格も抑えられており、若い方々が手に取りやすい仕様となっています。

特に新入社員研修での活用も推奨されるほど、実用的な知識が満載です。
新社会人はもちろん、これから社会人となる学生さんや
一人暮らしを始める方など、新しい環境で自分自身を守り、
より良い人生を送るために必要な知識が凝縮されています。

デザインとイラスト制作で工夫したポイント

1. 誰もが使いやすいデザインの工夫
この冊子の通常版はCUD（カラーユニバーサルデザイン）認証を受けるため、
「幅広い方にとって分かりやすく、読みやすい誌面」
にすることを一番大事にしました。
色の使い方、レイアウト、文字の表現すべてにおいて、
誰もがストレスなく、正確に情報を受け取れるように工夫しています。

2. デザインとイラストの統一感
表紙、誌面デザイン、イラスト、Webサイトのバナーまで
まとめて担当しました。このため、
最初に誌面デザインで全体の色や雰囲気のルールを決め、
それに沿って制作を進めることができ、
統一感のある仕上がりになりました。

3. 冊子のテーマに合わせたビジュアルコンセプト
冊子のテーマが「くらしに役立つ情報」「トラブル対策」なので
イラストには「情報が正確に伝わること」と「親しみやすさ」
両方を達成できるイラストが求められました。
そこで、情報が誤った伝わり方にならないよう形を崩しすぎず
色も誌面と合わせた優しい色合いを採用しました。
その結果、パッと見て内容がすぐに理解でき、
読者が安心して読み進められるビジュアルになりました。

4. イラストのパース（遠近感）へのこだわり
イラスト制作では、ご要望であった
「遠近感（パース）をできるだけ崩さない」
という点を、品質のための大事なルールとして守りました。
特に窓やベランダなど、直線が多い背景の構図では
空間がおかしく見えないよう
実際にレイアウトで使用する範囲の外側まで描き
パースが崩れないよう整えました。
これにより、奥行きのある自然な空間描写を実現し
イラストの質を高めることができました。