北欧の神秘
北欧の神秘(ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画)
SOMPO美術館 20240323~20240609
![](https://convivia.co.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/sites/3/2024/06/DSC_8661_01-700x472.jpg)
前回が岡本太郎展以来かもしれない。
ずいぶん久しぶりの美術鑑賞になってしまった。
「芸術」というと、どうも偏った教育の影響もあるのか、
どうしてもヨーロッパを中心に見てしまう。
同じヨーロッパ圏でも北欧の「芸術」というのは、
どんなものだったのだろう。
興味深い展覧会だと思い、
ずいぶん前にチケットを買っていたが、
結局重い腰を上げたのは、最終日の前日。
損保美術館といえば、高層ビルの上の方にある美術館。
40階相当から見下ろす新宿駅西口の街並み
という印象の美術館だと思っていたら。
いつの間にか移転していた。
ビルが変わり、1階に受付がある、低層階に移動していた。
たしかに、こっちの方が断然行きやすい。
が、せっかく工事中の新宿駅を撮ろうと持ってきたカメラが残念。
仕方なく近所のカゴのようなビルを下から撮ったり、
裾が緩やかに広がっているビルを下から撮ったりしながら
美術館に向かう。
ここで朗報。
美術展の一部の作品が撮影して良いことになっているとの案内。
なので、カメラを下げたまま鑑賞します。
![](https://convivia.co.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/sites/3/2024/06/DSC_8667_03-700x461.jpg)
北欧の芸術というのはやはり
北欧らしい景色を描いてなんぼ。
冬の景色は圧倒的で静謐で荘厳。異世界のよう。
が、普通に考えて、「そんなところで絵描いてたら死ぬ」
ということに気がついた。
なるほど。
北欧の芸術の壁をみた気がする。
なので、近代に入るとカメラで撮影した
写真を使って描くようになっている。
![](https://convivia.co.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/sites/3/2024/06/DSC_8666_02-700x469.jpg)
それから、ヨーロッパではギリシャ神話や
のちにキリスト教絵画(ばっかり)になり
その反動からやがて自然や、時事的な題材
あるいは内面的なものを描くように変化していくが
北欧でも「北欧的な」神話や自然、
内面的な表現にアイデンティティーを追求していく。
(かのムンクがノルウェー出身で、若い頃の作品が来てました)
![](https://convivia.co.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/sites/3/2024/06/DSC_8668_04-700x1049.jpg)
そういえば日本の洋画(油絵)って、
「いかに洋画っぽいか」な印象かも。
(めちゃくちゃ失礼かつ、不勉強な発言な気がする)
こういうところは、日本がヨーロッパとの距離があったことと
「仏画」や「日本画」など、それぞれ分解した表現があったので
「油絵」で日本的なアイデンティティーを
それほど強調しなかったのかもしれない。
(日本神話の洋画って見たことないかも)
一部ではあるがその「撮影可」の作品が
「北欧神話」「民族叙事詩」に係累する題材の絵画で
日本の主立った「ゲーム」や「ファンタジー」の
舞台に置く使われる世界観ということもあり
えも言われぬ「本物感」にテンションが上がる。
![](https://convivia.co.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/sites/3/2024/06/DSC_8672_05-700x472.jpg)
![](https://convivia.co.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/sites/3/2024/06/DSC_8675_06.jpg)
![](https://convivia.co.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/sites/3/2024/06/DSC_8676_07-700x473.jpg)
表現も「ナニコレカワイイ」
イラストの参考になりそうな作品が多く
創作意欲が刺激されたかも。
![](https://convivia.co.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/sites/3/2024/06/DSC_8680_08-700x468.jpg)
なにより、全部手描きですよ。
今、こうして鑑賞している自分の位置に
作家がいて、筆を持ち、テレピン油で色を溶きながら
一筆一筆に表現を追求していたわけで。
そういう感覚が久しぶりすぎて、
土日に「疲れた」「ナニもやる気しない」と過ごす自分が
なんだかやるせなくなりました。
また、昔のようにグルグルと見て回るか。
写真、文:やまだ