手仕事の証

会社の引き出しの奥にずっと入ったままだった
この「ちびっちょい」鉛筆たち。
先日家に持って帰って来ました。
いつから入っていたのかも記憶にないぐらいです。

ずいぶん前に会社で見せたときに
「もう捨てたら?」と言われたことも。
それでもやっぱり捨てられませんでした。

もうむかし、むかしのことです。
かつてレイアウトと言えば
見本帳を見ながら書体を選び
割付用紙に鉛筆と三角定規を使っての作業でした。

毎朝出勤すると、始業前にカッターで鉛筆を削り
1日が始まりました。
その日の作業段取りなどを考えながら
何本も何本も削っていたように思います。

私は鉛筆ホルダーを使って
ギリギリまで書くのが好きでした(どこまで使えるか!)。

いずれ溜まったら、
まとめて捨てようと思い、袋に入れていたのに
いざ溜まると、やっぱり捨てられませんでした。

いつか可愛い瓶を見つけて、入れてあげたい
そんな思いをずっと持っていました。
先日やっと「彼ら」の居場所が見つかりました。
入れてみるとなんか可愛い!
蓋を開けて眺めて見ても、やっぱり可愛い!

ここには私が仕事をした時間が
確かに詰まってる。
そんな愛おしい気持ちになるのです。

文・沢田寛子

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