実家のお雛様

3月なので、少しだけ「お雛様」の話を。

実家のお雛様は棟方志功の版画です。
私が生まれた年に父が買ってくれたものだと
ずいぶん後になって母から聞きました。

人形だと、出したり片付けたりするうちに
壊れてしまったら可哀想だからと、父が言って
版画にしたそうです。

そんな父の、人形に対しての
優しい想いを知らずに私は成長し
かなり大人になってから、これが棟方志功の
版画であることを聞かされ、とても驚いたのを
今でもとてもよく覚えています。

雛人形は、女の子の誕生を祝うとともに
その健やかな成長を祈って飾ります。

最初に生まれた女の子の私に
父はどんなことを願い、祈っていたのか。
父が生きている間に、このお雛様のことも含め
もっと色々と聞きたかったな、と
今更ながら後悔しています。

母もこの優しい表情の版画をとても気に入っていて
「額縁だから一年中飾ってあってもいいのよ」と
アドベントの季節以外は玄関の横で微笑んでいます。

天国の父も、ずっと見られてきっとその方が嬉しいですね。

最後に友人が調べてくれた、この版画の詳しい情報を。

棟方志功 母雛の柵「青天抄板画柵」
母の雛最も古りて清くあり 1922・句 1956・3板
名 青天抄板画巻
著作者等 原 石鼎
棟方 志功
棟方志功 板
原石鼎 句

文・沢田寛子

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