死を考える絵本

『かないくん』

作  谷川俊太郎
絵  松本大洋
ブックデザイン  祖父江慎
こどもの頃に読んで忘れられない
“死”を扱ったお話がいくつかあります。
たとえばおばあちゃんの“死”や、
飼っていた犬の“死”、動物園の象の“死”など。
最近出会ったばかりの『かないくん』も、
きっとずっと忘れられない絵本だなあ、と感じています。
かないくんは、クラスメイトで隣の席の男の子。
「かないくんはしんゆうじゃない、ふつうのともだち」
そんな距離感のともだちの死を通して、主人公の男の子は、
死ぬということはどういうことなのかを考えていきます。
(帯の「死ぬとどうなるの」というコピーが印象的です)

淡々とした語り口なのにズシンと心に響くのは、

絵と装丁がこのお話の世界を視覚的に
見事に表現しきっているからだと感じます。
松本大洋さんの繊細かつ豊かな絵によって、
登場人物の心がより深く伝わってきます。

印刷も美しく、一面真っ白な雪景色の見開きなどは、

めくった瞬間その質感にドキッとするほどです。
読んだあとは、思い出や感情が頭を巡りつつ、
不思議とすこし爽やか。
たくさんのおとなの人に出会ってほしい絵本です。

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