一青窈アルバム新聞広告
「タイポグラフィーの奥義」
文字や写真を組上げて、情報を的確に視覚的に伝える技術。
タイポグラフィーとはビジュアルなコミュニケーションツールです。
グラフィックデザインの基本に横たわる土台のようなものです。
デザインの骨組みといえます。骨組みとはスペースに文字、写真、イラス、ト図版等
どのように配置するかの基本の枠組みです。建築で言えば構造体に間取りを与えてゆくようなものですが、構造がしっかりとしていないと、煩雑な紙面になり情報がスムースに伝わりにくくなってしまいます。
情報の質と表現という意味では論理的構造と感覚的構成を必要とします。
読みやすさ、見やすさにとどまらず、情報の質や内容によって表現の仕方が変わってきます。
理性や常識に捕らわれず、自由に感覚的に表現することがより伝わりやすい場合もあります。
その場合、デザインの基準となるよりどころは、デザイナー本人の感性の中にしかありません。
いつも感覚を磨いていないとできない芸当です。
たまたま「一青窈」のアルバム広告を見てまさに良い例だと思いました。
この広告の命は、いかに歌の内容、アーチストの気持ちを的確に文字で伝えることができるかです。
普段使いの言葉表現と、不思議な用い方をする言葉とが、赤裸々な内容をよりピュアに映しだし、共感の世界絵と導きます。
その不思議で赤裸々な世界を、この二つの広告はうまく表現していると感じました。
文字を縦、横だけでなく縦横に流れるように曲線で組み、また天地逆さまにしたり、鏡文字にしたりすることでその歌の世界をうまく表現しています。しかも2バージョンで。
二人のデザイナーがそれぞれの感性で表現したのかもしれないし、一人のバリエーションかも知れません。
人はこうあらねばならないという枠をつくりたがりますが、枠をとりはらい自由に遊ぶことは、
実はとてもむずかしいことです。
この詩人も然り、この広告のデザイナーも然り。自由に遊ぶ感覚を身につけていると感じます。
自由に遊ぶためには、感性を磨き表現するを繰り返す事ですかね。
とにかくこの広告刺激されました。
岩嵜 記

