「お気に入りのシャツ」

 ●その昔
女子校で制服のなかった学校に通っていた私は
大の「アイビールック」のファンでした。
その頃から(今でも)ボタンダウンのシャツは大好きで
ブルーストライプのオックスフォード地のシャツを
見つけた日などは、大騒ぎをして、全身で喜びを表していたものでした。

●大人になって
社会人になってからも、シャツ好きは変わっていません。
形のバリエーションも増え、ワードローブもいっぱい
のはずが「大お気に入り!」と言えるものが少ないのです。
お店を覗いては、「この白のシャツ素敵」と手に取り
値段を見てはそっと戻す、ということも少なくありません。
そうなんです。プレーンでシンプルなシャツほど値段が
ビックリするぐらい高価、しかも高級になってしまうのです。

●そして今
夏ちょっと前に、ふと通りがかったお店に入りました。
私と「鎌倉シャツ」との出会いでした。
触ったときの生地の感触、形、私がこだわるボタンのつき具合
まさに「出会ってしまった」と思える一枚でした。
そしてその値段を見たときに、二度目のビックリ。
思わずそこにいた感じの良い女性店員の方に
「どうしてこんなにいいシャツがこの値段なのですか?」と
ストレートに聞いてしまいました。
「生地を工場から直接購入して、自社で企画・デザインしています」
「広告も出していません」という内容の答えでした。

家に帰って、さっそく買ったお気に入りのシャツを
袋から出して見ると、珍しい手書きで書かれたタグを発見!
あの有名なVANの創業者で、アイビールックを送り出した
石津謙介氏の「鎌倉シャツ」応援のメッセージが書かれていたのでした。

「ファッションとは衣食住、ライフスタイル全般のことである」
という石津さんの言葉がまた思い出され、これからもますます大切に
ここのシャツとはつき合っていきたいと思った出会いでした。


文責:沢田寛子

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