「ディック・ブルーナのクリスマス絵本」

クリスマスのこの時期に、あちらこちらの本屋さんを

覗いてみるのが好きです。

お目当ては、クリスマス関連の絵本のコーナーです。

今年はどんな本が、どのように並べられているのだろう。

そんなことを思い巡りながら本屋さんに向かいます。

昔から愛されている定番のクリスマス物語もありますが

新しく出版されたものもあります。

そんな中で見つけたのがこの絵本です。

色とりどりの、カラフルな絵本にまぎれて置かれていた

白と金を基調としたこの本は、見たことがありませんでした。

でも開けてみると…。


ディック・ブルーナの絵本

『クリスマスって なあに』が初めてオランダで

出版されてから今年で50周年を迎えました。

この50周年を記念して、特別仕様の愛蔵版が出版になり

それがこの新しい装丁の美しい絵本でした。

「むかしむかしです。

くらい よるです。

ベツレヘムの ひとたちは、すべてねむっていました。」

ここからはじまる、クリスマスのほんとうの意味を

やさしく伝える絵本、ブルーナの子どものための

クリスマス絵本です。

この絵本の中の選ばれた色数、かたち、そして構図は

グラフィックデザイナーでもあるブルーナならでは。

そして、うさこちゃん同様、みんな顔は正面。

本を開く度に、登場人物たちと目が合うのがいいです。

「それは、あの ほしです」

東方の学者の1人が指をさすこの場面が特に好きです。

この愛蔵版ではないバージョンの絵本の表紙は

天使のバックの夜空の色がとても素敵です。

でもこの季節、プレゼントにもぴったりなのは

この特別仕様の方でしょうか。

絵本を閉じると同時に

「世界中の人が平和で、幸せに暮らせますように」

と祈りたい気持ちになりました。

文:沢田寛子

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