子供の頃の記憶を探しに
武蔵野市立吉祥寺美術館で
『北田卓史展 想い出の空飛ぶタクシー』を
2025年9月20日(土曜)~11月3日(月曜・祝日)の期間
開催中です。
一般:300円

ポスターの絵。
この絵のタッチ。
みたことある。
知ってる。

それも、結構、強く知ってる。

が、
なんの作品で見知ったのか
まったく思い出せない。
ということで。
答えの展示も有るはずだと、行ってみました。

北田卓史。
絵本作家というイメージがありますが
肩書は童画家。児童向けの絵を描く画家。

寸胴スタイルの人物。
褐色の肌。つぶらな瞳。


原画は油絵の具で描かれ、絵の具の盛りや塗り重ね、
乾く前に引っ掻いたテクスチャーなど
シンプルなベタ面にも様々なニュアンスがあり
トテモ良い。

人物や動物、木々や建物などは
立体を感じさせるような影を付けないベタ塗りで
平面的に描かれているのに対し
車やロケット、電車や飛行機などは立体的で
かなり細かく描き込まれていて驚くほど。
その両方が同じ場面に描かれても
一見めちゃくちゃになりそうな構成にも関わらず
1枚の絵としてのバランスが絶妙に良い。
配色の良さと、平面的な人物や動物、木々や
建物に施された細かな模様、パターンが
全体の中で同じ視覚情報の密度感になっていて
とんでもなく見やすくて、見飽きない。
むしろ立体と平面を自在の泳ぐ目の楽しさ。
良い!


絵としてメチャメチャ良い!
いいな〜
あ〜、いいな〜
う〜ん、いいな〜
こういう絵が描けたら楽しくてしょうがないだろうなと
あこがれながら進むと、あっという間に
次が最後のコーナーというところまで来てしまった。
ここまで、このタッチの既視感の原因は見当たらず。
今回の展示には無いのかもと思いながらコーナーに入ると。
あー!った。
『チョコレート戦争』
エクレアというシュークリームよりすごい洋菓子があって
ひとくち食べたらもう最後。クリームがこぼれないよう
一気に食べなくてはならないことから「稲妻」という意味の
「エクレア」という名前が付けられたという。
ところ『だけ』、何十年経っても
エクレアを見るたびに思い出してしまう児童文学。
その挿絵を北田卓史が描かれていた。
そうそう、これ。
描き直す前の、なつかしい挿絵の原画がある。
ずっと忘れていた。思い出せて良かった。
そうだったのか。。。
原画の、一枚一枚の
絵の具の盛りや、掠れ、こそいだところや
広いベタ面が均一にならない濃淡や塗り重ね。
線を残す塗り方で出来る主線のブレた仕上がりなど
意図した意図しない部分まで絵を為す大事な要素。
絵に込められた時間や思いを感じられて
どの絵も愛おしい。


こういう絵を見て
あこがれたり夢見たりしないと
絵を描く気力がなくなりそう。
見に来れて良かった。
注 写真撮影は一部のみOK。
文・写真:やまだ