いつの時代も試行錯誤の「素描」展

上野:国立西洋美術館
スウェーデン国立美術館 素描コレクション展
ルネサンスからバロックまで
会期〜9月28日。一般¥2,000

素描。

「デッサン」とか「ドローイング」とか、あるいは「アイデアスケッチ」のような「思考の断片」を取り留めなく描き付ける行為。
いわゆる「作品」としての最終的な仕上がりを目指して踏み出す、最初の一歩のような「絵」であり、製作中の検討事項を整理するための試し描きであり、普通、こうして展示されるようなものではない。
つまり、作品が完成したら捨てられる類のもので、仰々しく額に入れて壁に並べて観るものではないのだが。さすがにルネサンス時代のラフやバロック時代のスケッチなんてものにもなると、資料的な価値や、捨てられずに残っていると言うだけで奇跡っぽい。
とはいえ、作品を作るにあたって相当な数を描き散らかすわけで、それこそ大量に残っている素描はピンキリ。その中でも「ピン」クラスの圧倒的技量による素描を八十数点と厳選し展示した展覧会。珍しいと思う。
物が物だけに、巨大な素描というものはあまり聞かないわけで、作品サイズも小さな紙切れから、大きくてもほとんどがB4とか、A2くらいの大きさ。大胆なタッチのものもあれば、細密画のような細かさのものまで。作品保護の観点から会場の光量もギリギリで、昨今老化の激しい山田としては目が疲れる。頑張って見た。

「素描」ということで、割と気楽に見られるかと思って観に来たのだが、意外にも思いがけず全く逆の展覧会だった。素描だからこそ、作者の息遣いが生々しい。小さな紙切れに構図やポーズについてを試行錯誤して走るペンが、正解を探して迷うペン先が、目をこらして線を追う自分と重なる。呼吸や熱量がむき出しのまま伝わってくる感じがして。思わず距離を取るほどに。

企画展の割に作品点数が少ないかなと思ったが、途中ソファーで休むほどに疲れた。
小さいから観るのが大変ということもあったかもしれないけど。

西洋美術館は平日は普段17:30までですが、金・土曜日は20時まで開館してくれているので、この暑い夏。少し遅くでかけて、涼しい頃にのんびりゆっくり観るのもありかと思います。

個人的な鑑賞のためであれば撮影可能とのこと。
館内暗いですが、ライトやフラッシュは絶対NGです。
来館者のある中での撮影なので常識の範囲でね。

文責・写真(スマホ):やまだ

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