今大好きな画家


小林秀雄や青山二郎のブレーンの物語を興味を持って読んだのは、もう20年以上昔のことだ。その取り巻きだった白洲正子の友人で画廊経営者、美術評論家の洲之内徹のことは名前だけは知っていた。ある日、新聞広告に不思議なえんぴつ画の肖像画が載っており衝撃を受けた。乱雑に見える筆づかい、なんというこだわりのなさ、天衣無縫でストレートな絵だろう。これは洲之内の肖像であったが、描いたのは松田正平である。イギリスのアルフレッド・ウォリスに匹敵するいのちの喜びが伝わってくる絵だ。あれから20年後したしい友人が松田正平の画集を送ってくれた。わたしの宝物である。こころの中を吹き抜ける風のような絵だ。堀木一男

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