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視覚的な面白さCONVIVIA COLOR6「紙だからこその感動」大友淳史小さなサイズの箱形の物。店頭で見た時、最初は何だか分かりませんでした。 実はコレ、パラパラマンガなのです。 ぱらぱらーっとめくると絵が動いて見えるというアレです。教科書の端っこに描いた経験のある人も多いのではないでしょうか。 僕も昔、教科書の端っこに描いた経験があります。 今回紹介する「パラパラブックス」シリーズはとてもクオリティが高く、雰囲気も好みです。中でもお気に入りなのは『めからかいこうせん』本には「目からビームが出るよ」と書かれています。実際にめくってみるとこれはビックリ!めくった際の残像がビームに見えるのです。これは画期的。 書籍の電子化と言われている昨今ですがこの表現は紙ならでは、アナログならではです。デジタルの画面では、ページをめくる際の残像なんてありません。かいこうせんは出ません。他にも、中に穴があいている本があったり、めくりやすい紙を使っていたり、本が反らないようにケースに入っていたりと工夫や仕掛けが満載です。 「紙にしか出来ない事ってあるんだな〜」と、改めて思わせてくれる本でした。着眼の面白さ 着想の柔らかさ岡野祐三赤瀬川原平氏の着眼と発想には、やられてばかりいる。『四角形の歴史』赤瀬川原平/毎日新聞社  新しい本ではないが、たまたま見つけたこの本でもそうだった。犬は風景をどう見ているのか…をきっかけに、著者は風景について考える。 普通「風景」といったとき、何を思い浮かべるだろうか。富士山だったり、夕焼けシーンなどの光景? または「風景写真」… 「泰西名画」などの絵画?  さまざまな「光景」が私達の身の周りに溢れている。しかしそれを気に止めて「風景」として観ることは日常ではまず無いのではないだろうか。まして風景がいつから存在しているのか…疑問を抱く人がどれだけいるだろう。 そんな疑問を思いついただけでなく、著者は「四角形の歴史」を通してその起源の説明まで試みる。曰わく、犬は自分の必要とする対象物だけを注視し、背景は見ていない。人間もおそらく始めはそうであった。それを意識するのは、人類文明に「四角形」の枠が出現してから後のことだと…。 額縁に依頼主の肖像を描いた余白に初めて背景を描き込んで、これが風景を意識するきっかけで、人が初めて風景だけを描いて鑑賞するのは「印象派」以降なのだそうだ。さらに著者は原始の時代にさかのぼって、直線から始まる「四角形」の出現?(発明?)の歴史まで考えを巡らせる。 「子供の哲学/大人の絵本」シリーズの1冊だが、大人も「なーるほど」の展開になっている。ホントかどうかはともかく、その納得の大きな部分が意表を突いた着想の面白さと、展開のうまさによっている。赤瀬川原平氏ならではの世界なのである。 赤瀬川原平氏は前衛芸術家から始まって画家・写真家でもあり、エッセイスト・芥川賞作家といったそうそうたる活動の幅であるが、「トマソン」「路上考現学」「老人力」などに代表される、意表を突く発想と表現が次々と現れ、枯れることがない。鋭い観察眼と無類の面白がり屋が同居して、その世界観は肩から力が抜けていて人を引きつけ続ける。 我が身に欠如したその着眼・着想・頭の柔らかさが、うらやましくて仕方がない。視覚的な面白さ

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